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盛り土2・5メートルは土木の常識?

デイリー新潮 9/30(金) 5:58配信

 白川静著『字統』は、「盛」が【祭祀に多くのものを供薦する意】を持つことを教えてくれる。口に入れるものが行き交う場だからといって、土まで祀ろうと考えたわけではなかろうが、土壌2メートルを削った上に、盛り土を2・5メートル重ねるのは土木の常識なのか否か。京大大学院工学研究科教授の藤井聡氏によると、

「地下部分に空間を作らず盛り土の上に直接建物を作る場合と、コンクリートの『地下ピット』を作った今回の場合。両者を比較すると後者の方が衛生的かつ安全であると言えます」

 それというのも、

「大規模な建物を建てる際、基礎杭とよばれる杭を地中深くに打ちこみます。そうすると『毛細管現象』によって、この基礎杭に沿うように地下水が建物のすぐ下に上がってきてしまう。これは想定内の事象です」

 仮に建物の1階部分の直下に盛り土があると、

「地下水は市場施設の床に直接届き、建物内に浸入するリスクが生じます。その一方、建物の地下部分に空間、つまり地下ピットを設けてある場合は、これによって市場施設として使われる建物の地上階と地下水とを遮断することができる。地下水が浸入してくるリスクがある以上、盛り土ではなく、地下ピットを設けるのは当然のことなのです」

 建築物としても極めて一般的かつ合理的なものだと明言するのだ。

 そのうえ、生鮮食品を扱う豊洲新市場ゆえの過剰なまでの配慮をこう指摘する。

「東京ガス操業時の地面から地下2メートル部分の土地は一旦全て掘削されています。更に、その位置には砕石層とよばれる毛細管現象が起こりにくい層も敷かれ、それより下の地下水が浸入しにくい作りになっているのです」

「特集 地下に溜まった怪しい強アルカリ水! ピラミッドより謎多き豊洲の巨大建造物! 意味不明が多すぎる『豊洲のパンドラ』20の疑問」より

「週刊新潮」2016年9月29日号 掲載

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最終更新:10/4(火) 11:07

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