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豊洲の盛り土とコンクリ空洞、コスパ対決は

デイリー新潮 9/30(金) 12:00配信

〈コンクリートの箱を埋め込むことで、市場(の建物)を支える。その方がずっと安くて早く終わるんじゃないか〉と発言していたことが明らかとなり、一躍、渦中の人となったのが、石原慎太郎元都知事である。

 土壌汚染対策にかかった費用は約850億円。途方もない額には件(くだん)の盛り土のお代が含まれるが、ここで先の「石原発言」を疑問に思う読者もいるだろう。なぜ自然由来の土よりも、人工物のコンクリートの方が安くなるのか――と。

 まずは、福島の土壌除染に携わる広島国際学院大講師・佐々木慧氏の解説を聞こう。

「汚染土を他所へ持って行けば、受け入れ先で二次的な汚染を引き起こす可能性もある。そのため、豊洲では掘り起こした汚染土を浄化して盛り土に再利用したのだと思います。処理過程では、洗浄や加熱と並んで微生物や栄養を混ぜる『掘削微生物処理』という、微生物処理の中でも一番、贅沢な方法を採用しているんです」

 これら処理にかかる費用の試算が、当初は1000億円超だったと明かすのが、当時、都の専門家会議メンバーだった日本環境学会元会長の畑明郎氏である。

「2008年に土壌から環境基準値の4万3000倍ものベンゼンが検出され、我々の会議では対策を講じるには、約1300億円が必要と結論づけました」

 それに物言いをつけたのが、当時の石原知事だった。

「高すぎると言われたので一から再計算をして、費用を1000億円弱まで圧縮しました。それでも石原さんは難色を示し、専門家会議は解散させられたのです」

 結果、専門家会議にとっては想定外の地下空間を都が建設したことで、試算より150億円安くなった。コスパ対決はコンクリートの空洞に軍配が上がったのである。

「特集 地下に溜まった怪しい強アルカリ水! ピラミッドより謎多き豊洲の巨大建造物! 意味不明が多すぎる『豊洲のパンドラ』20の疑問」より

「週刊新潮」2016年9月29日号 掲載

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最終更新:10/4(火) 11:36

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