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人工透析患者中傷で謝罪、長谷川豊アナが訴えた“医療のコスパ”は無視できない現実なのか

オトナンサー 10/1(土) 10:00配信

 自身のブログに人工透析患者を中傷するような記事を掲載した、フリーアナウンサーの長谷川豊氏が、キャスターを務めていた報道番組を降板する、というニュースが駆け巡りました。

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 長谷川氏は「バカみたいに暴飲暴食を繰り返す」「で、糖尿病になる」などと人工透析患者を批判、テレビ局側はこの記事がキャスターとして不適切なものであったと判断し、長谷川氏を降板させたという経緯だったようです。

 あまりに激しい言葉で人工透析患者をののしった長谷川氏。その真意が「医療にコストパフォーマンスを」というものであったとしても、ある程度の制裁はやむを得なかったのかもしれません。

 一方で、日本においても医療に“費用対効果”の観点を導入しようという議論が進んでいることは、あまり知られていないかもしれません。

 長谷川氏の一件が他人事とは思えなくなる、その議論の内容について解説します。

長谷川氏の記事の中身はどんなものだった?

 まずはおさらいからです。長谷川氏の問題の記事はどんな中身だったのでしょうか。

 長谷川氏は9月19日付のブログで、日本の透析患者の特徴について、「バカみたいに暴飲暴食を繰り返す」「腹は出る、腰は痛める。周囲に注意されているのに、無視」「それでも食べ続け、運動もしない」「周囲は必死に注意。でも無視」「で、糖尿病になる」「にも関わらず、運動もしない、食事も先生から言われたことをろくに守らず好き放題」と過激な表現を使って説明。

 その上で「これらのシステムは医療従事者にとっては『金の成る木』です。(中略)こんなお金を散々落としていってくれる患者はいません。ちなみに、透析患者には一人年間500万円かかります」などと記しました。

 自分が「必死に払ってる保険料」が「そうやって食いつぶされ続けている」ことを問題にしたわけです。

日本は“費用対効果”による評価を試行実施

 日本では厚生労働相の諮問機関が2016年度から、薬や医療機器の価格が効果に見合っているのか(費用対効果)を踏まえた、価格の見直し作業を試行的に実施しています。その背景には、医療費が年々増加している事情があるとされます。

 費用対効果の測定には「生活の質」と「生存期間」を組み合わせた「QALY(クオリー)」という指標が用いられます。例えば、1年間を健康に過ごせば1QALY(=1×1)ですが、寝たきりが続くと0.3QALY(=0.3×1)。この指標を使い、薬や医療機器の価格が効果に見合っているかどうかを測定するそうです。

 厚労省によると、すでに販売されている薬から見直しを始めており、価格に反映されるのは2018年度の見通し。諮問機関の議論次第では、「著しく高額な医療機器を用いる医療技術」への費用対効果の適用も検討される可能性があるといいます。

 長谷川氏がやり玉に挙げた人工透析ですが、その治療が「高額な医療機器を用いる医療技術」に含まれるかどうかも「議論次第」(担当者)だそうです。

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最終更新:10/1(土) 11:02

オトナンサー

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。