ここから本文です

ゴキブリ60万匹の恐怖、世界最大級の研究所を見た

NIKKEI STYLE 10/1(土) 15:00配信

 みなさんはゴキブリ60万匹がザワザワと一斉にうごめく光景を見たことがあるだろうか? 「ゴキブリが大嫌い」という人は閲覧するのに少々、覚悟がいるかもしれない。殺虫剤やヒット商品「ごきぶりホイホイ」などで知られるアース製薬の研究所(兵庫県赤穂市)では実験・研究のために国内外に生息する様々な種類のゴキブリを飼育しているという。

 そこで今回は人間の住環境にはとても身近な存在だが、嫌われ者の代表格でもあるゴキブリの習性や歴史、地域分布のほか、意外にユーモラスな珍種のゴキブリの生態などについて調べてみることにした。

ゴキブリは約3億年前に登場、大きさ・形は変わらぬ「生きた化石」

 アース製薬研究所を訪れたのはまだ蒸し暑さが残る9月半ば。山陽新幹線の相生駅を降りて自動車で20分ほど走ると、工場と研究所の近代的な施設が目の前に姿を現した。入り口の左手にはカキなどを養殖する瀬戸内海(坂越湾)が広がる風光明媚(めいび)な立地だ。「赤穂の塩」で知られるこの地に創業者の木村秀蔵氏が工場を建設したことで同社の歴史が始まったとされる。

 研究所の内部を案内してくれたのは研究開発本部の有吉立課長。1998年に入社して以来、18年間、ゴキブリや蚊、ハエ、ダニなどの飼育・研究に携わってきたエキスパートで、ゴキブリだけでも約20種類は飼育しているそうだ。「ゴキブリは約3億年前の古生代・石炭紀に地球に登場した最古の昆虫のひとつ。生きた化石ともいわれ、実は大きさも形も当時とほぼ変わっていないんですよ」。様々な種類の写真や説明文を印刷したパネル展示の前で有吉さんの声が響く。

夜行性・雑食性……、疫病やアレルギーをもたらす嫌われ者

 ゴキブリは基本的に夜行性で集団で生活し、湿気が多くて暖かくて暗くて狭い場所をよく好む。繁殖力が旺盛でなんでも食べる雑食性。食べかすはもちろん、壁紙や本の表紙、仲間の死骸やフンまで平気で食べてしまうらしい。

 最も困るのはサルモネラ菌、赤痢菌など有害な病原菌をまき散らすこと。「フンや死骸がアレルギーのもとにもなるし、電気コードをかじってショートさせるので火事の原因になることもある」。ゴキブリ自身に“悪意”はないのだろうが、長年、人類を困らせる厄介者として嫌われ続けてきたわけだ。

 まずクロゴキブリとチャバネゴキブリの飼育室を見学させてもらった。

 「厚紙を蛇腹状に折り畳んでゴキブリにすまわせています。狭い場所にいるとゴキブリは落ち着くみたいなんです」と有吉さん。書庫のような金属製の本棚にプラスチック製の容器が整然と並んでいる。箱の中は見られないが、クロゴキブリだと1箱に400~500匹程度がすんでいるらしい。そうしたプラスチック容器が何百個もある。あまり物音もせず、なんだか無人倉庫のような無機質な雰囲気だ。

1/4ページ

最終更新:10/1(土) 15:00

NIKKEI STYLE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフスタイルに知的な刺激を。
生活情報から仕事、家計管理まで幅広く掲載
トレンド情報や役立つノウハウも提供します
幅広い読者の知的関心にこたえます。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。