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〈尖閣〉 兵頭流軍学に訊く 中国船撃退法【決定版】

WiLL 10/1(土) 9:02配信 (有料記事)

無能外務省のせい

── 今年八月、尖閣諸島周辺に中国の公船や漁船が四百隻以上も蝟集、また、六月には軍艦までが接続水域内を航行、さらには、領空域においても中国機が侵入しています。
兵頭 いわゆる「海上民兵」に登録されている漁船が中共政府からカネをもらって5月と8月に「訓練」するということは、拙著『兵頭二十八の防衛白書2016』(草思社)に書いた通りです。これが予定通りに7月中に公刊されていれば、誰も驚かなくて済んだでしょう。実は、私の担当編集者が病気になられて、5月中に書き上げた原稿が8月末になって公刊された結果、事前警告としては役に立ちませんでした。
── このような中国の行動に対して、日本がすべきことは何でしょうか。
兵頭 中共のいわゆる「クリーピング・アグレッション」(時間をかけてにじり寄る侵略)とか「グレーゾーン侵略」とか呼ばれている手口の特徴をひとことで言えば、「トリップワイヤーを決してひっかけない」ということです。
 トリップワイヤーとは「鳴子の紐」です。これに侵略者が足をひっかければ、そこから戦争が始まったと全世界は認識する。ひっかけた側が「侵略者」です。それに応戦した側は「自衛戦争」をしていることになる。国際連合が憲章で認めている戦争──正義の戦争です。そうなった場合に初めて、米国や西欧自由諸国も、「では自衛戦争をしている側を応援しましょうか」という話に移れるんです。
 たとえばリトアニア国境に近いポーランドのスバウキ村付近に米軍が一個大隊を展開する。任務はトリップワイヤーなのです。そこへロシアの大軍がポーランド領になだれこめば、最前線の一個大隊なんてたちまち壊滅でしょう。しかし、それが立派なトリップワイヤーとなる。誰が侵略戦争を開始したのか、それで、アメリカの大統領が銃後の国民に説明がしやすくなるのです。
 尖閣諸島には、愚かなことに、日本政府がトリップワイヤーになるものを一切配置していません。だからシナ側はやりたい放題です。
 具体的な対策については私はずっと前から提案しています。魚釣島に穴を掘って、そこに旧式な「74式戦車」を半分埋めて、コンクリートで固めて、「沿岸砲台」を設けるんですよ。幾らもかかりません。
 自衛隊法では、武器を守るためならその場の隊員が武器を使用してよいことになっています。シナ人が魚釣島に上陸すれば、そいつらが軍服を着ていようが漁民の格好をしていようが、現場の自衛官は沿岸砲台とその武器弾薬を守るため、現地の判断で警告射撃や射殺が可能です。これが、最も低い予算で設置できるトリップワイヤーです。
 重さ38トンもあって、少人数では簡単に撤去することが不可能なトリップワイヤーが設けられたと知ったら、シナ人はもう島の占領は諦めます。なぜならいったんそこで「自衛戦闘」が始まってしまえば、確実に米軍が出てくるからです。
 ところが、何もない無人島にシナ軍工作隊が上陸して占領を宣言したって、米軍は出て行かれませんよ。だって、大統領が国民に何と説明するんですか? まさか、「中共が領土だと主張している無人島を、日本人の手に返してやるため、これから中共と戦争する」──などと声明できないでしょう。
 自衛隊員が魚釣島に居住する必要はないんです。ローテーションで数日ごとに次々と新手の隊員が警戒配備につけばいいだけですから、経費もさほどかかりません。本文:12,394文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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兵頭二十八(軍学者)

最終更新:10/28(金) 14:09

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