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グーグルのMVNO「Project Fi」は本当に得か? 在米記者が検証

Forbes JAPAN 10/1(土) 17:00配信

無線通信事業には多くの事業者が参入しているが、自分に最適なプランを探すのは難しい。AT&Tやベライゾンは高品質なネットワークを誇るが、料金が高いのがネックだ。スプリントやT-Mobileは低額のプランを提供しているがネットワークの信頼性も低い。そんな中、様々なMVNO(仮想移動体通信事業者)が、他の事業者の回線を借りて安価なプランを実現している。



グーグルのMVNOであるProject Fiは、当初は招待制だったが2016年3月から誰でも利用可能になった。USセルラー、T-Mobile、スプリントの3キャリアからユーザーの位置によって最も電波の良い事業者に接続する仕組みになっている。月額20ドル(約2,010円)で国内通話とテキストメッセージが無制限で利用でき、データ通信費は1ギガあたり10ドル(約1,006円)だ。

アメリカの4大キャリア以外を利用したい人なら誰にとっても一見お得なプランに見える。筆者も期待を胸にProject Fiを30日間利用してみたが、結局は別のモバイルプロバイダを選んだ。Project Fiへの乗り換えを考えている人のために、主な長所と短所を挙げたい。

1. 料金体系が明確でデータ使用量の確認も簡単

Project Fiではその月の支払いがいくらになるのかが分かりやすい。ひと月ごとに必要と思われるデータ使用量を設定でき、支払うのは実際のデータ使用量分の料金だけだ。設定を超えて利用しても超過分の料金を支払えばいいだけで手数料などは取られないし、設定よりも少なかった場合は返金される。

さらにグーグルプレイストアからダウンロードできるProject Fiのアプリを使えば、データ使用量も簡単に確認できる。次の支払い期限、設定に対する実際の使用量の比較、1日あたりの使用量も分かる。

2.カスタマーサービスが快適

多くのカスタマーサービスでは電話してもなかなか人につながらず、人間ではなくロボットが対応することもある。その点、Project Fiのカスタマーサービスは、アカウントにログインして5分以内にチャットでサポートスタッフと会話することができた。

--{3.対応スマホはグーグルのネクサスのみ}--
3.対応スマホはグーグルのネクサスのみ

Project FiはNexus 6、5X、6Pにしか対応していない。ネクサスはスマホの中でも高品質でアンドロイドOSのアップデートもタイムリーだが、他のスマホを選べないのは残念だ。

4.海外への渡航が多い人にはお得

アメリカ以外の国でスマホを使う機会が多い人にはProject Fiはお勧めだ。135か国でデータ通信が普通に(莫大なローミング費を支払うことなく)で利用できる。Wi-Fi経由での通話も快適に利用でき、セルラーネットワーク経由でも1分20セントほどだ。テキストメッセージはWi-Fi経由でもセルラーネットワーク経由でも追加料金は取られない。

つまりWi-Fiを経由しない通話が多くなければ、たいていの国で追加料金なしに普通にスマホを使える。

5.データ通信費に要注意

データ使用量が1か月あたり1~2ギガほどであればいいが、平均で3ギガ以上なら他の事業者の方がお得かもしれない。たとえばProject Fiでは無制限の通話とテキストメッセージに加えてデータ使用量が4ギガだと月額60ドル(約6,035円)になる。しかしスプリントでは同じ料金で、T-Mobileではあと10ドル払えば、通話とテキストメッセージに加えてデータ使用量も無制限になる。

Project Fiの売りの1つが通話やデータ通信を行う際にWi-Fiにつながりやすいということだが、筆者はサンフランシスコのベイエリアを生活と仕事の拠点しているものの、いつでもWi-Fiにつながったわけではない。ひと月のデータ使用量の設定を1ギガにしていた筆者は、1日のデータ通信費の予算を高速鉄道に乗っている往復90分の間に使い果たしてしまう状況だった。

Project Fiでは毎月設定するデータ使用量よりも実際に使った量が少なかった場合に返金してくれるが、データ通信を頻繁に行うユーザーにとっては高くついてしまう。

Shelby Carpenter

最終更新:10/1(土) 17:00

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