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「若者のクルマ離れ」の一方で需要高まるレンタカー。市場規模は一兆円に。帝国データバンク調査で判明

HARBOR BUSINESS Online 10/1(土) 9:10配信

 近年、「若者のクルマ離れ」に代表される自動車の保有に対する消費者の価値観の変化などにより、レンタカーやカーシェアリングへの需要が高まっている。国土交通省によると、2015年3月末までに登録されたレンタカーは累計約60万台にのぼり、前年度から11.8%増加した。観光やレジャーなど必要な時に気軽に利用できるレンタカーは、自動車を保有しない個人を中心とした需要のほか、近年では訪日外国人観光客の増加も加わり、業界への追い風は一層強まっている。

⇒【資料】年度別レンタカー売上高

 そんな中、民間の調査会社である帝国データバンクは、同社のデータベースなどをもとにレンタカーを主業とする企業及び従業とする企業を374社を抽出し、集計・分析を行った調査結果を発表した。

 調査によれば、レンタカーを主業とする256社の売上高合計は過去5年間(2011~2015年度)で比較すると2011年度移行は右肩上がりで推移しており、2015年度には9892億3900万円と一兆円に迫る数字となっていることがわかった。これは、2011年度と比較して約1.2倍の売上規模にあたる。

 また、256社の増収・減収動向を見ると、2015年度の売上高が前期比増となった企業は152社(構成比 59.4%)。年度別に見ると、2011年度(137社、構成比 62.0%)以降、増収企業の構成比は2年連続で増加しているという。2013年度(167社、同 70.5%)は過去5年間で最も増収企業の構成比が高かった。2009年~14年3月まで、高速道路利用料金が最大で5割引になるといったETC特別割引の効果などにより、レジャー需要が増加したことがプラスに働いていたと考えられる。

◆大手6ブランド強し!

 もっとも、レンタカーを主業とする256社の企業数も「トヨタレンタリース」、「オリックスレンタカー」、「ニッポンレンタカー」、「タイムズカーレンタル」、「日産レンタカー」、「バジェットレンタカー」の大手6ブランドが構成比57.8%と過半数を占め、売上高構成に至っては同「大手6ブランド」がなんと9割(9049億1300万円)を占めるという結果になった。

 一方、従業としてレンタカー事業に参入、またはFCに加盟している企業118社は、主にガソリンスタンド経営(構成比20.3%)の企業が参入しているようだ。次いで、中古自動車小売業や自動車(新車)小売業と続く。自動車関連事業者の多くは、レンタカー業経営に必要な車両保守点検設備や駐車スペース、整備士などの人員を備えており、参入の際に初期投資や固定費負担を抑えることができるほか、給油など主業との相乗効果が期待できるケースもあるとしている。

 帝国データバンクは、以上の調査結果などについて次のような見解でまとめている。

「近年では都市部に住む若年層を中心に、負担の大きい維持費など経済的な問題のほか、公共交通機関の充実もあり、自動車の『保有』から『シェア』への意識変化が、レンタカー業界に追い風となっている。レンタカー各社は、こうした需要の取り込みに向けて、中古車を活用することにより大手の半額程度でサービスを提供する企業や、高級車や輸入車を豊富に取り揃えることで同業他社との差別化を図っている。このほかにも、『カーシェアリング』と呼ばれる新しいレンタルサービスが拡大を続けているほか、訪日外国人観光客など新たなインバウンド需要が掘り起こされ、レンタカー市場はサービスの態様・顧客層ともに多様化も進んでいる。

 原油安によるガソリン価格の低下に加え、今後も訪日外国人観光客の増加や、自動車保有率低下による消費者のレンタカー利用増加が見込まれるなか、消費者のニーズをいかに取り込むことが出来るかが、各社の業績向上に影響を与えそうだ」

参照:帝国データバンク「レンタカー業者の経営実態調査」(※pdf)

<文/HBO取材班>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:10/1(土) 9:33

HARBOR BUSINESS Online