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中古住宅、新制度で安心感 品質診断で公的支援

NIKKEI STYLE 10/2(日) 7:00配信

 都心を中心に新築住宅価格が高止まりし、中古住宅に関心を持つ人が増えている。ただ住宅の劣化やリフォーム工事のミスなどに不安を抱える人は少なくない。こうした場合に考えたいのが中古の品質を検査する公的制度だ。欧米で一般的な民間の住宅診断(ホームインスペクション)と上手に併用すれば、良質な中古住宅を手に入れる味方になりそうだ。
 昨年から都内で住まいを探す会社員Aさん(41)。当初は新築しか考えていなかったが、希望エリアの価格は予想以上に高く、最近は割安な中古住宅を買ってリフォームすることも検討中だ。だが「傷み具合はどうか、リフォーム工事は手抜きがないかといった新築にはない悩みが多く出てきた」と話す。
 新築住宅は現在、引き渡しから10年以内に壁など構造上主要な部分と屋根など雨漏りを防ぐ部分で重大な欠陥(瑕疵=かし)が見つかれば、売り主が無償で修理することを義務付けている。売り主が経営破綻してもカバーされる仕組みだ。しかし中古住宅は保障があるかどうかが物件ごとに違い、保障があっても期間の短い場合が多い。中古に関心はあっても購入に二の足を踏む人が多い一因だ。

■第三者機関が検査

 こうした状況を変えようと国は近年、様々な制度を整えている。例えば10月から始まる住宅金融支援機構の中古住宅向けローン「フラット35リノベ」だ。中古住宅を買って、省エネ性や耐震性などでいずれかの基準を満たすリフォームをすると、長期固定型ローンのフラット35の借入金利が最長で当初10年間、年0.6%下がる。
 フラット35の最低金利は9月時点で年1.02%(借入期間21~35年、融資率9割以下)。10月も同水準と仮定すると、リノベの金利は0.42%という低さだ。しかも「中古住宅の不安解消に役立つような仕組みにしている」(住宅金融支援機構)。その柱が計3回にわたる第三者機関の検査を、ローン利用条件として定めたことだ。
 まずリフォーム工事前に劣化状況などを現場でチェックする。次に検査内容を踏まえて作成するリフォーム計画の図面などを確認し、工事後は最終現場チェックを実施する。融資条件を満たす人なら、低利ローンの恩恵と第三者による複数回のチェックという安心感を得られる。
 購入後にリフォーム工事をすることをあらかじめ決めている人は、国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」も選択肢になる。新築住宅を対象に2009年度に始まった「長期優良住宅」制度を中古住宅に応用したものだ。省エネ性や耐震性といった基準を満たすリフォーム工事をすると、原則として対象工事費用などの3分の1、最大200万円が補助される。
 こちらも第三者によるチェックが求められる。まずリフォーム前に住宅診断を実施し、さらに工事計画の図面審査なども必要だ。やはり、中古住宅の現状とリフォーム工事の両方に原則として外部の目が入る仕組になる。
 リフォーム工事は考えていないという中古住宅購入者でも活用できる制度がある。「既存住宅売買瑕疵保険」だ。保険加入の条件として、この保険を引き受ける法人による中古住宅の検査が求められる。加入から1~5年後に構造上主要な部分、雨漏りを防ぐ部分などで重大な欠陥があれば保険金が払われる。
 事業者が任意加入する保険なので、住宅を買う個人は直接入ることができない。事業者から買うなら、保険に加入する宅建業者を探すといいだろう。個人間の売買なら保険加入のために保険法人の検査前にもう1つ、所定の機関による検査が必要なので、この検査機関を探す必要がある。

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最終更新:10/2(日) 7:00

NIKKEI STYLE

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