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都知事選に敗れ普通の生活に戻った鳥越俊太郎「本気で勝てるとは思ってなかった」

週刊女性PRIME 10/2(日) 10:30配信

鳥越俊太郎の出会ってしまった運命の3冊

 東京都知事選での奮闘が記憶に新しい鳥越俊太郎さん(76)に、自身にとっての「運命の3冊」を聞いた。

■『スフィンクス』(堀田善衛 著/集英社)

時代は1962年、アルジェリアの独立を背景にした中東、ヨーロッパが舞台の国際スパイ小説。第二次世界大戦の影が随所に見られる。

「この『スフィンクス』は、僕が社会人になりたてのころに読んだものです」

 1965年、京都大学文学部を卒業後、毎日新聞社に入社した鳥越さんが、最も影響されたのが、戦後活躍した小説家であり評論家としても知られる堀田善衛だった。『スフィンクス』は、中東とヨーロッパを舞台に、国際政治の暗部と謀略を描いた物語である。

「この本に出会って本当に打ちのめされました。人生観、世界観が大きく変わりましたね。それまでの自分は、なんて浅はかだったのかと思い知らされました」

歴史に名を残した人物の言葉の重み

 以来、新聞社の仕事をする傍ら、堀田善衛に没頭する。『海鳴りの底から』『広場の孤独』『時間・歯車』『ゴヤ』……。そしてあるとき、堀田の『方丈記私記』に巡りあう。

「鴨長明の『方丈記』は、高校時代に受験勉強で読んでいました。この堀田の『私記』は、戦中戦後、大震災や大空襲後の日本と、鴨長明が描いた鎌倉時代、災害や疫病、戦で荒廃した都を重ね合わせて描いたものでした。そのドキュメンタリーのすごさに触発され、鴨長明の『方丈記』を読み返してみようと思ったんです」

■『方丈記』(鴨長明 著/KADOKAWA)

枕草子、徒然草とともに日本三大随筆に数えられる中世隠者文学の代表作。世の変遷と心の不安の中で、無常感、諦観、天変地異などの惨状を描写。

《ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず》の書き出しで知られる中世文学の代表的な随筆『方丈記』との出会いは、20代の終わりだった。

「無常感や人の世の儚さが淡々と綴られていました。いつか終わりが来る人生、小さなことでジタバタしても仕方がない、と人生を見据えることができました。

 旅行に行くときはいつも『方丈記』の文庫本をバッグに入れていきます」

 '89年、活躍の場を新聞社からテレビの世界へ─。昭和が終わり、ベルリンの壁崩壊など世界の歴史が変わったときである。

「'91年12月25日、ソ連崩壊当日、僕はモスクワの赤の広場に立ってロシアの三色旗が上がるのを見て、“ああ、社会主義が終わっていくんだな”と感慨深く思ったのを覚えています」

 鳥越さんが3冊目に選んだのは、上下巻の大作、ミハイル・ゴルバチョフ著『ゴルバチョフ回想録』。

■『ゴルバチョフ回想録』(ミハイル・ゴルバチョフ 著/新潮社)

ソビエト連邦を解体、世界冷戦構造に幕を引き、世界の一大変革を引き起こした当事者が初めて激動の現代史の内幕とその半生を語る証言録。

「ソ連の共産党の中で出世し、書記長というトップに上り詰めた人物が、『再建』を意味するペレストロイカを提唱し、情報公開を推進して、共産党を解党させた。

 僕は本人にもインタビューしていますが、あの人がいなかったら違った世界になっていたでしょう。米国のブッシュ大統領と会談して東西冷戦を終結させたのは間違いなくゴルバチョフその人なんです。

 この本は読むのは大変だけど、ひとりの人間が歴史の中で大きな役割をすることがあるんだ、と実感できますよ」

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最終更新:10/2(日) 10:30

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