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岡崎慎司の思考術「チャンスは必ず巡ってくる」

@DIME 10/2(日) 10:30配信

弱小レスター・シティの主力として、プレミアリーグ優勝という奇跡を起こした岡崎慎司。欧州チャンピオンズリーグという新たな舞台への挑戦を追う人気連載が今季もスタートする。

■最初で最後かもしれない欧州チャンピオンズリーグ

 欧州各国リーグの上位チームが出場する欧州チャンピオンズリーグ。それはヨーロッパでプレーする選手なら誰もが立ちたいと願う舞台だ。

 レスター・シティへ移籍する時、チャンピオンズリーグ出場権を持つドイツのクラブからもオファーがあった。けれど、僕はより成長ができるはずだと、新天地プレミアリーグでの挑戦をあえて選んだ。

 そして、プレミアリーグで優勝し、一度は諦めたチャンピオンズリーグ出場権を手にした。僕にとっては最初で最後のチャンスになるかもしれない。他国の強豪との対戦を考えただけでもワクワクする。

 レスター・シティが入ったのは、デンマークのFCコペンハーゲン、ベルギーのクラブ・ブリュージュ、ポルトガルのFCポルトのグループGだった。

 レスター・シティの現状を考えれば、チャンピオンズリーグを何度も経験している中堅クラブとの対戦はそれほど簡単ではないはずだ。それでもこの相手なら、必ずグループリーグを突破しなければならない。

「決勝トーナメントに出て初めてチャンピオンズリーグだから」と言っていた日本代表のチームメートたちが味わったものを僕も経験してみたい。

■ 自分にしかできない仕事、揺るがない自信

「チャンスは必ず巡ってくる」

 プレシーズンマッチでFWとしては4番手の起用だった僕に焦る気持ちは一切なかった。プレミアリーグ開幕戦でもベンチスタート。レスター・シティは昇格したばかりのチームに敗れた。

 新しい選手を起用し、チームを進化させたいと監督は考えて、僕に代えて、足の速い選手を起用した。強力な個の力で比べられたら、僕は敵わない。

 しかし、個の能力が高い選手を11人揃えれば、試合に勝てるかと言えば、そういうものではない。チーム力、組織のバランスを生み出す選手は必ず必要だし、レスター・シティは汗をかく黒子のような選手がいるからこそ、高い能力を持つ選手が輝くことができる。初戦途中出場した僕は第2戦から先発に復帰し、1勝1分けと勝ち点獲得に貢献した。個の力では勝てなくとも、僕には僕にしかできないプレーがある。「バランスをとり、チームの形を作る」ということに関しては、自信がある。だから、ポジション争いにも、冷静に挑むことができる。「必ず、僕が必要になる」という強い思いはどんな状況に陥っても崩れることはない。試合に出るためにやるべきことはわかっている。

■ゴールから逃げないのは日本サッカーのため

 昨季最終節、僕は先発から外され、「監督にとってはまだその程度の選手なのだ」と思い知り、「ゴールを決めなくてはいけない」という気持ちがさらに強くなった。最終節の時点で新シーズンが始まった気分だった。

 試合でゴールがなければ、FWとしての落胆は大きい。良い守備ができたと言われても納得も満足もできない。それでもレスター・シティでポジションを獲るには、まずはゴール以外の仕事で、自分の存在価値を示す必要があると考えた。

 そして、守備や運動量など、そのガムシャラなスタイルで僕は試合出場機会を手にすることができ、その仕事を褒められることも多い。それでも僕は言う。

「ゴールを決めなくちゃ本当の信頼は得られない」と公の場で発言するのは、自分を奮い立たせるためでもあるし、日本人FWのことを思うからだ。

「ゴールだけが仕事じゃない」と僕がゴールから逃げるようなことを言うことで、若い選手が「そういう道もあるのか」と考えてしまっては困る。

 サッカー選手の価値を数値で評価するのは難しいが、唯一FWはゴール数という正当な数値で評価される。足が遅くとも身体能力が低くてもゴールはゴールだ。だからこそ、その数を追い求めることを諦めちゃいけないし、僕は諦めたくはない。さらに上へ行くために、今季も考え続ける。

岡崎慎司

1986年4月16日、兵庫県生まれ。05年清水エスパルスとプロ契約。08年北京五輪出場後、日本代表に初選出。10年W杯南アフリカ大会出場。11年ドイツ・ブンデスリーガ、シュトゥットガルトへ移籍。’13-’14シーズンはマインツでプレーし、欧州主要リーグ日本人最多シーズン得点記録となる15ゴールをマーク。14年W杯ブラジル大会に出場し2大会連続得点を決めている。15年夏イングランド・プレミアリーグのレスター・シティFCへ移籍。’15-’16シーズンプレミアリーグ優勝。

構成・文/寺野典子 撮影/乾 晋也

※データはすべて2016年8月30日時点のものです。

@DIME編集部

最終更新:10/2(日) 10:30

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