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ロッテ、ミサイル基地建設と引き換えに逮捕回避の憶測 --- 新田 哲史

アゴラ 10/2(日) 16:20配信

どうも新田です。どうにか逮捕を回避した韓国ロッテの重光昭夫会長ですが、そのタイミングでこんなニュースが出てきたので、ビックリマンなこの頃です。朝日が掲載したロイター電はこちら。

“韓国、THAADの配備予定地変更 ロッテグループのゴルフ場に(http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKCN1200XH.html)”

北朝鮮のミサイル攻撃に備え、アメリカの迎撃ミサイルであるTHAADを韓国が導入を決めた報道は、軍事に詳しくない私も関心を持ってみておりました。そのレーダーの範囲が中国の領土内に入ってしまうことから、当然、中国が反対したわけですが、朴大統領が珍しく中国に毅然と跳ね返し、導入に踏み切った当時は「それだけ背に腹を変えられない情勢なんだね」と思ったものです。

ただ、中国だけでなく、自国民からも導入に反対されていたとは知りませんでした。要は日本でも、変電所や携帯電話基地局設置とかで地元民と揉めるのと同じく、電磁波問題を懸念してのことのようです。それで、どっかいいところがないか当局で探したところ、田舎にあるロッテグループのゴルフ場が候補地になったという次第だそうです。

しかし、まあ、このニュースが出たのが、まさに昭夫氏逮捕を回避した直後なものですから、ひょっとしたら「韓国政府との政治的取引で逮捕を回避したのではないか?」と、つい邪推したんですよ。政権が変わると前政権の悪事が暴かれる伝統芸が脈々と続く中で、李明博政権との癒着に関連があったかどうかでロッテグループの裏金を巡る一連の捜査が始まったとみられていて、ところがTHAADの基地建設を急がねばならない事情が生じて、朴政権がロッテに目をつけたとしても、おかしくはないな、と。

見逃していたんですが、朝鮮半島ヲチでおなじみ、辺真一さんのヤフー版“コリアレポート”(http://bylines.news.yahoo.co.jp/pyonjiniru/20160928-00062650/)を読むと、やはり韓国内でも同様の見方があったようです。昭夫氏が逮捕されない理由の4番目として指摘しております。

“ロッテの重光昭夫会長は逮捕されるか
第四の理由は、米国の地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備予定地が慶尚北道星州郡に駐屯する星山砲兵部隊からロッテのゴルフ場「ロッテスカイヒル星州カントリークラブ」への変更が決定し、近々発表があることだ。(中略)ロッテ側との交渉を前にそのトップを逮捕すれば、交渉に影響を及ぼすことから朴大統領への名誉棄損で起訴した産経新聞のソウル特派員を無罪にした時の様に「政治判断」を優先させ、在宅起訴処分にすることも十分に考えられる。”

ただ、いくら韓国の司法制度の実態が、日本のそれよりも人治主義的で、政治的恣意性が強い体質にあるとはいうものの、建前上は三権分立ですからねぇ。産経新聞の前ソウル支局長への難癖に等しい名誉毀損立件がありましたけれども。

そういう陰謀うずまく大人の世界があったほうが、韓流ドラマ的には盛り上がると思うんですが、実際どうなんでしょうか。

ちなみに、ロッテグループの名誉のために一つだけ付け加えておくと、昭夫氏の軍事・平和観は分かりませんが、創業者の武雄氏については、日本での戦時体験から「軍需産業には関わらない」という考え方を昔から示しているんだそうです(出典;「ロッテ際限なき成長の秘密」=2012年、実業之日本社)(https://www.amazon.co.jp/dp/4408109568)。それだけに、武雄氏が今回の韓国政府の決定をどう思っておられるのか、ビミョ~な感じもいたしますがね。

それにしても、まさかミサイル基地絡みの話が目下話題のお家騒動で取りざたされるまでになるとは。炎上芸の引き出しの多さに興味が尽きない国です。ではでは。

新田 哲史

最終更新:10/2(日) 16:20

アゴラ

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