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ケンブリッジ飛鳥「10秒切りは近いうちに。目標はその先にある」

webスポルティーバ 10/2(日) 18:40配信

 リオ五輪・陸上男子400mリレー決勝、桐生祥秀からバトンを受けたケンブリッジ飛鳥は、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)に次ぐ2位でゴールを駆け抜ける。そのタイムは、予選でマークしたアジア記録(37秒68)を更新する37秒60。

リオ五輪の4×100mで銀メダルを獲得した日本男子

 ケンブリッジは、自身が走り抜けた10秒弱を、こう表現した。

「今までの100mで一番短かった」

 400mリレー史上初の銀メダル獲得という歴史的快挙から約1か月半、その名を歴史に、そして人々の記憶に刻んだ23歳のランナーに、「2016年の夏は、どんな夏だったか?」と聞くと、彼は即答した。

「濃くて、短くて。アッという間の夏でした」

 一瞬の夏、ケンブリッジが手に入れたものは計り知れない。

 8月13日、男子100m予選4組で登場すると、向かい風0.5mという条件の中、10秒13で2着。準決勝進出を決める。

 翌日の準決勝、隣のレーンを走るのは、世界最速のスタートを誇るジャスティン・ガトリン(アメリカ)だった。ケンブリッジは10秒17と振るわず、7位となり敗退。決勝進出は叶わなかった。しかし――。

「無意識なんですが、ガトリンの背中を目で追ってしまって。自然と顔が上がり、普段より上体が起きるのが早くスピードに乗れなかった。右隣のレーンが空いていたので、余計に左が見えてしまって。ただ、一度経験したので、次からは隣に誰がいても焦ることはないかなと。同じミスはしないんで、いい経験ができたと思います」

 気持ちの切り替えは完璧だった。8月18日、400mリレーの予選でアンカーを務め、37秒68のアジア記録を叩き出す。
 
 翌日の決勝、隣のレーンを走るのがボルトに決まっても、怯むどころか心は躍った。

「やったなって。ちょっと自分、持ってるかもしれないって」
 
 決勝、最高の形でバトンはケンブリッジにつながる。トップ集団でバトンを受けると、ボルトにこそちぎられたものの、アメリカ(レース後に失格)の追撃を振り切る。

 ボルトが一瞬、ケンブリッジを振り返ったのは既報の通り、互いのバトンがぶつかるアクシデントがあったからだった。

「若干ですけどバランスを崩してしまって。どうにか2番でゴールできたんでよかったんですけど……」

 タラレバは承知で、やはり聞いてみたくなる。もしも接触がなかったら、ボルトとの距離は、広がっていたのか? 縮まっていたのか?

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最終更新:10/3(月) 15:57

webスポルティーバ

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