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稀代の“名手”が挑む“名将”への道 レアルを復活させたジダン監督が抱く「クラブ世界一」の野望

Football ZONE web 10/2(日) 17:00配信

英雄が指揮官として、FIFAクラブワールドカップの舞台に帰還

 かつてピッチに君臨したスター選手が、指揮官としても成功を収める――。

 古くはヨハン・クライフ氏やフランツ・ベッケンバウアー氏、近年では今季からマンチェスター・シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督らがその輝かしい経歴を刻んでいるが、レアル・マドリードを率いるジネディーヌ・ジダン監督も“名選手にして名将”への歩みを進めつつある。

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 ジダン監督は現役時代、1998年フランス・ワールドカップ(W杯)で母国を初優勝に導いて一気にスターダムに上り詰めると、01年にユベントスからレアル・マドリードへと新天地を求めた。当時のレアルは剛腕フロレンティーノ・ペレス会長の第1期で“銀河系軍団”完成を目論んでおり、前線にはジダンのほかにFWラウール・ゴンザレス、MFルイス・フィーゴ、DFロベルト・カルロスら各ポジションに世界的なスターを配置する煌びやかさを誇った。

 そのチームを率いたビセンテ・デルボスケ監督はジダンがトップ下に入りつつ、フィーゴが右サイドに張る独特の4-4-2システムを編み出した。そのチームでジダンは、2001-02シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝レバークーゼン戦(2-1)では伝説のスーパーボレーを叩き込んでビッグイヤー獲得に導くなど、“白い巨人”のレジェンドとして燦然と輝く実績を残した

 その後06年ドイツW杯限りで引退したジダン氏だったが、09年に会長職に復帰したペレス氏の要望もあり、アドバイザーという形でクラブに戻った。それ以降はスポーツディレクターを経て、カルロ・アンチェロッティ元監督の下でアシスタントコーチや、「カスティージャ」と呼ばれるBチームの指揮を執るなど、帝王学を注入されて将来的な指揮官就任にも期待が集まっていた。

選手、監督として史上7人目のCL制覇

 ただ、指揮官就任のタイミングは計画的なものではなく突然の出来事だった。昨季のレアルは開幕前にラファエル・ベニテス監督を招聘したが、選手たちの人心掌握に失敗。そこでペレス会長は今年1月に切り札とも言えるジダン監督の就任を決めた。

 唐突なトップチームの指揮を不安視する向きも多かったが、新体制になって以降、後半戦のレアルは勢いに乗る。看板3トップ「BBCトリオ」を従来通り生かしつつ、4-3-3システムの浮沈を握るアンカーにMFカゼミーロを積極起用した。そのカゼミーロは4月2日、宿敵バルセロナ戦で相手のエースFWリオネル・メッシを完全に抑え込む活躍ぶりを見せ、ジダン氏の監督としてのクラシコ初陣での勝利の立役者となった。

 クラシコ勝利で勢いに乗ったチームは、CL決勝トーナメントでもローマ、ヴォルフスブルク、マンチェスター・シティを破って決勝の舞台にたどり着く。ファイナルの相手は同都市のライバルで闘将ディエゴ・シメオネ監督率いるアトレチコ・マドリードと、2年前と同カードになった。試合はPK戦までもつれ込む白熱の展開となったが、レアル5人目のキッカーを務めたFWクリスティアーノ・ロナウドが成功させて熱戦に終止符を打ち、クラブ史上11度目の欧州王者に輝くとともに、ジダン氏は史上7人目となる選手と監督両方でのビッグイヤー獲得となり、歴史にその名を刻んだ。

 ジダン監督がピッチで表現するスタイルは、オーソドックスなものだ。グアルディオラ監督のような緻密なポゼッション構築でもなく、シメオネ監督のような徹底した規律を植えつけ、そして情熱を前面に押し出すタイプでもない。

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最終更新:10/2(日) 17:00

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