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効率アップ! 同じ勉強でも目覚めた直後にしたほうがいいワケ

HARBOR BUSINESS Online 10/2(日) 16:20配信

 同じ学習内容でも、学習する時間帯によって結果に差が出る――

 そんな衝撃的な事実が、東京大学の深田吉孝教授と清水貴美子助教らによる研究チームによって30日、英科学雑誌『ネイチャー』に発表された。

 社会人になっても、新たな資格を取得するためだったり、クライアントにプレゼンをするための資料を読み込んだりと、何かを記憶しなければならない機会は意外と多いはず。そんなときに、短時間で、効率的に学習ができれば、非常に便利だろう。

◆起床直後はマウスの記憶力がアップ

 実はこれまでにも1日のうち時刻によって、記憶のしやすさ、勉強のしやすさに違いがあるのではないか、と言われてきた。しかし今回、同大の研究チームが初めて明らかにした研究結果によると、「起きた直後」と「4時間後」が、もっとも記憶が長続きする時間帯という。

 実験では、まずマウスに2つの積み木を見せ、その形状を記憶させる。そののち一旦ケージにマウスを戻して、24時間後、今度は別の形の積み木をマウスに見せて、当初の形との変化に気づくかどうか調査した。

 これをマウスが起きた直後、4時間後、8時間後、12時間後、20時間後などさまざまな時刻で調べた。

◆老化防止や記憶障害の改善にも

 発表内容によれば、こうした1日における記憶のリズムは、脳の海馬と呼ばれる部位に存在する「体内時計」(海馬時計)が制御しており、この体内時計は「SCOP」と呼ばれる特定のたんぱく質の量的な変化を生み出している。目覚めた直後は学習によって多くのSCOPが分解されるので記憶力が上昇するのだ。つまり、SCOPは体内時計から受け取った時刻情報をもとに、記憶システムにこれを伝える動きをしているのだ。

 一般的にマウスは夜行性であるが、人間でも記憶のしやすさに1日のリズムがあることが知られている。今回はマウスでの実験だというが、発見した海馬などのメカニズムは人にも当てはまると考えられるという。より研究が進めば将来的には老化防止や記憶障害の改善にも役立つ可能性があると、同研究チームは述べている。

 何度も反復作業で学習するのは大変だが、同じ時間でも起床4時間後までに学習すれば、より効果的に学習できる。ぜひ覚えておきたい。

<文/HBO取材班>

【参照】

東京大学大学院理学系研究科・理学部

「長期記憶しやすい時刻の発見とその脳内の仕組み」

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:10/2(日) 16:20

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