ここから本文です

外貨建て保険で6%超 金融商品、高い手数料に注意

NIKKEI STYLE 10/3(月) 7:00配信

 マイナス金利下でお金を少しでも殖やそうと思えば、元本リスクのある金融商品は避けて通れない。このため、金融機関に相談すると、外貨建ての一時払い保険や株式などで積極運用する投資信託を勧められることが多い。ただし、販売手数料などの名目で投資元本から差し引かれるコストを見極めずに手を出すのは禁物。コストの大きさは資産運用の成否そのものを左右しかねないからだ。
 「銀行が取る手数料が高いし、いったん投資すると元本割れせずに早期解約するのが難しい」。銀行の個人向け営業の実態に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)、高橋忠寛氏は、いま売れ筋になっているある金融商品に厳しい目を向ける。ドルやオーストラリアドルといった外貨建ての一時払い終身保険だ。
 これは円に比べて相対的に金利が高い外貨で運用する保険。死亡保険金も解約した場合の返戻金も外貨で受け取るため、為替相場が円高になると、円換算で損失になる可能性がある。そのリスクは承知したうえで相続税の節税メリットなどを狙って500万円、1千万円といった大口契約をする高齢者が少なくない。

■手数料平均6.8%

 しかし、仮に投資した1千万円のうち70万円近くが、保険会社から銀行への手数料に回っていると聞かされれば、契約をためらう人もいるかもしれない。金融庁が調べたところ、外貨建て一時払い保険の手数料率は平均で6.8%。銀行が扱う金融商品の中で目立って高い(図A)。
 保険会社は高い手数料を払ったうえで利益を上げる必要があるため、金利の高い外貨で運用しても契約者の取り分は限られる。1年未満で中途解約すると10%もの「解約控除」を差し引かれる商品があるのは「運用期間が短いと保険会社が手数料分を回収できず、赤字になりかねないため」(業界関係者)という。
 「手数料率が高いために重点的に顧客に勧めているのではないか」という疑念を招かないようメガバンク3行などは10月以降、外貨建て保険の手数料率を自主的に開示する。「保険の販売にそれほど大きな影響は出ないのではないか」(国部毅・全国銀行協会会長=三井住友銀行頭取)というが、どうだろうか。
 資産の一部を高金利の外貨で運用するのが目的なら、対象は必ずしも保険商品である必要はない。高橋氏は「外貨運用の目的を、相続対策と切り離して考えれば、コストの安い商品はいろいろある」と指摘する。
 手数料に開示義務があり透明化が進んできたのが投資信託だ。値動きが市場平均に連動するよう運用するインデックス型投信は、多くが販売手数料ゼロで、ノーロードと呼ばれる。運用の巧拙がでない分、投信会社はコストを競う必要に迫られ、保有期間中にかかる信託報酬(運用管理費用)の水準がぐっと下がってきた(表B)。
 大和証券投資信託委託が9月8日に新規設定した投信シリーズ「iFree」は信託報酬が業界最安だ。例えば東証株価指数(TOPIX)連動型で年0.2052%(税込み)。同種の投信の中には信託報酬がこの3倍を超える例もある。イデア・ファンド・コンサルティングの吉井崇裕氏は「よりコストの安い投信を選べば収益上、中長期で大きなメリットを得られる」と助言する。
 市場平均を上回るリターンを狙うアクティブ型の投信の場合、これまで投資元本の3%ほどの販売手数料がかかる例が多かった。手数料率をいくらに設定するかは原則、売り手の金融機関それぞれの判断に任されるが、現実には、販売力の強い証券会社や銀行に配慮し、手数料率を高めに維持したいという投信会社の意向が働きやすかった。

1/2ページ

最終更新:10/3(月) 7:00

NIKKEI STYLE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフスタイルに知的な刺激を。
生活情報から仕事、家計管理まで幅広く掲載
トレンド情報や役立つノウハウも提供します
幅広い読者の知的関心にこたえます。