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「武豊で凱旋門賞へ」オーナーが大いなる夢を抱く素質馬ヴィニー

webスポルティーバ 10/3(月) 13:01配信

厳選!2歳馬情報局(2016年版)

■第19回:ヴィニー

 日本を代表する”国民的ジョッキー”と言えば、武豊騎手をおいて他にはいないだろう。今年47歳となった大ベテラン。ピーク時ほどの成績は残していないものの、要所における勝負強さは今なお健在だ。競馬ファン以外にも、その名が知られている日本競馬界の第一人者である。

【写真】凱旋門賞に出走したマカヒキ

 それほどの存在だからこそ、「自分の所有馬には武豊騎手に乗ってもらいたい」と考える競走馬のオーナーは多い。その思いの強さから、高額馬を購入し、武豊騎手を配してデビューさせるケースもあるほどだ。

 10月10日の2歳新馬(京都・芝1600m)でデビューする良血馬ヴィニー(牝2歳/父ディープインパクト)も、そうした背景を持つ1頭だ。

 同馬のオーナーである(株)キーファーズの代表・松島正昭氏は、自他ともに認める”武豊ファン”。2015年の競走馬のセリ市『セレクトセール』にて、1億円を超える良血馬を2頭落札したが、その際に「武豊騎手と凱旋門賞に行くのが夢。この2頭はその夢に近いと思って購入しました」と語ったほどだ。

 松島氏が落札した高額馬2頭のうち、1頭がヴィニーである。母コケレールがフランスのGI馬で、1億3500万円(税抜き)で落札された。デビュー戦の鞍上を務めるのは、もちろん武豊騎手だ。

 オーナーの夢が存分に詰まった若駒は、これまでの過程においても、関係者から高い評判を得ている。同馬の育成を担当したノーザンファーム空港牧場の中川晃征氏は、今春の取材でこうコメントしていた。

「ディープインパクト産駒の牝馬にしては馬格があって、アカ抜けた馬体ですよね。顔つきも父親にそっくりです。僕の厩舎で手がけたディープ産駒の中では、馬体、精神面ともに大物感を感じますね。期待していますし、牡馬と一緒に戦えるように育ってほしいと思います」

 ヴィニーを管理するのは、栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎。デビューへ向けて、ここでも精力的な調教が行なわれており、スタッフからも前向きな声が聞かれるようだ。関西競馬専門誌のトラックマンが語る。

「スタッフからは、『なかなかのスピードを持っているし、気性はおとなしくて扱いやすい』との評価が聞かれます。他馬と併せて調教すると、いい動きをするようです。馬体も牝馬にしては大きく、480kgほどあります。『これからよくなってきそうだし、うまく成長すれば”大物”になるかも』とのことです」

 なお、母コケレールのヴィニーには1歳上の全兄ラヴィエベール(牡3歳/父ディープインパクト)がいる。藤沢和雄厩舎(美浦トレセン/茨城県)所属の同馬は、今年2月のデビュー以来、4戦3勝(2着1回)と素質の高さを見せている。

 池江厩舎でも兄の活躍は話題になっていて、「ラヴィエベールが走っているのは心強く感じているようで、『同じような力を見せられる可能性は十分にある』と、スタッフは意気込んでいます」と、前述のトラックマンは話す。

 武豊騎手を背にして、競走馬としての船出を切るヴィニー。期待の乙女は、オーナーの大いなる夢を叶えることができるか。間近に迫ったデビュー戦の走りに注目したい。

河合力●文 text by Kawai Chikara

最終更新:10/4(火) 0:19

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