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meg rockが4年ぶり夏ワンマンで見せた、ハードな“ロック割増し”ステージ

リアルサウンド 10/3(月) 13:20配信

 ここ数年、meg rockのワンマンライヴは年末が恒例になっていたが、今回の『[ jet setter, jet lag tours ▽ premiere exclusive ]』は8月13日という夏の盛りに開催された。夏のワンマンは4年ぶりだという。会場は前回に引き続き渋谷WWWだ。

 2016年は「ロックイヤー」ということで、今年のmeg rockは活動的だ。年末12月18日にもワンマンが予定されているのに加え、昨年ついに実現したメロキュアのワンマンが今年も引き続き開催される(11月13日)。また、年度内リリース目標でmeg rockのミニアルバムの制作も進行中だという。

 さて、そんなロックイヤーを飾るこのワンマンは、開場が午後06時06分(18時06分)、開演が午後06時66分(19時06分)と告知されていた。前売りチケット料金は特典の内容に応じて税込みで4666円と6666円の2種類。「6(ロック)」づくめというわけだ。MCで口にする際も「ロックじロックじゅうロックふん」という具合に発音されていたことは言うまでもない。合間のMCで「このあいだライヴを観にWWWに来たときに発見したことがあって! 絶対に言わなきゃと思ってて!」と話し始めた一幕があり、一体何かと耳を澄ませたら「WWWのエアコンはロック台なんですよ!」。何事も徹底しているmeg rockであった。

 開演待ちの会場内には、meg rockが愛聴しているという映画音楽を中心にセレクトされたBGMが流れていたのだが、そろそろ開演時間になろうというあたりでふいに、メロキュアのリーダーである岡崎律子の「流星群の日」がかかって場内がかすかにざわめく。

 そして定刻の19時06分をほんのわずかに過ぎた頃、バンドメンバー、続いてmeg rockがステージに登場し、会場にどよめきが走った。

 meg rockのライヴでは開演が数10分押すのが通例で、メグロッカーはそれにすっかり馴染んでいる。ファンのあいだでは「ロスタイム」と呼ばれているのだけれど、ほぼロスタイムなしで――meg rockいわく「66秒押し」だったそうだ――幕が上がった驚きから「megちゃん、頑張った!」と歓声が上がったのである。

・テーマは「星」

 開演ギリギリまで調整をしていたというmeg rockのこの日の最初の衣装は、蛍光イエローに白のレースを重ねた浴衣風ワンピースに、ロイヤルブルーに黒の星柄レースを重ねた帯風ベルト。

 舞台のテーブルには、メグロッカーにはお馴染みのステージフードが置かれている。昨年のメロキュアワンマンで試して良かったからと、この日もいつものおむすびではなく、いちごのミルクレープ、いちごとピーチそれぞれのショートケーキが用意されていた(ジョトォのケーキで、渋谷ヒカリエで買ってきたそうだ)。

 オープニングを飾ったのは、新曲の「流星ピクニック」。ただしここでは“prelude“として触りが演奏されるに留められた。この新曲は、本編を締めるエンディングとして再度、フルバージョンで披露されることになる。

 岡崎の「流星群の日」がBGMに選ばれていたこと、「流星ピクニック」というタイトルの新曲で幕が開けられたことでも仄めかされていたが、今回のワンマンのテーマは「星」だ。現在制作中のミニアルバムのテーマが「星」だそうで、その宇宙最速先行お披露目を兼ねたこのワンマンも同じテーマにしたのだという説明がmeg rockからあった。折しも8月13日はペルセウス座流星群が流れる日でもあった。あるいはわざわざこの日を選んでブッキングされたのかもしれない。

 中盤に挟まれた提供曲セルフカヴァーメドレーでも、LiSAに詞を書いた「ナミダ流星群」が選ばれていた。デビューシングル「oath sign」のc/wに収められた曲だ。LiSAの歌い回しや発声の仕方が、どこかmeg rockを彷彿させる楽曲である。

 「流星ピクニック」は、緩急を効かせた、重いリズムの楽曲である。ギターも激しくてシューゲイザーっぽい印象も持った。

 新曲はもう1曲「花火」も披露されたのだが、PAのヴォーカルバランスが低く、残念ながら歌がよく聞こえなかった。そもそもは数年前にTBSラジオの『Kakiiin』という番組の企画で作られていた楽曲だそうだ。どちらも年度内リリース目標のミニアルバムに収められるはずである。

 セルフカヴァーメドレーでは「ナミダ流星群」の他に、やはり「星」つながりということだろう「オレンジミント」が選ばれていた。リリックに「流れ星」が登場するのだ。アニメ『憑物語』のオープニングテーマで、『化物語』シリーズではお馴染みのmeg rock―ミト・コンビによる楽曲である。2曲だけと、この日の提供曲メドレーは少なめだったが、終演後、関係者挨拶のときに訊ねてみたら、今回はいつもより1曲1曲を長めにじっくりと歌いたくて、敢えてこの曲数にしたということだった。

 通例となっているメロキュアコーナーでこの日選ばれたのは「向日葵」と「Agape」。「Agape」が終わったあとの拍手はいつも長く続く。

 それから特筆しておくべきなのは、グミ名義でのデビュー曲「Catch You Catch Me」がセットリストに含まれていたことだろう。一昨年のワンマンで演奏されたときには、日本でのライヴで歌うのは16年ぶり2回目と言っていたから、これが3度目(海外を含めると4度目)ということになる。古くからのコアなファンでもなかなか遭遇できないレア曲なのだ。

・“ロック割増し”にハード&ラウド

 「流星ピクニック」に象徴されていたと思うが、今回のワンマンは全体的に演奏がハードでラウドだった。特に、オープニングで「今日は飛ばしてるな」と感じた山本陽介のギターは、そのままのテンションで最後まで突っ走っていた。ヴィンテージのムスタング(彼のツイッターによると68年製だそうだ)を掻き鳴らしていたのも印象的だった。

 ミト(クラムボン)のベースと山内康雄のドラムがバンドをエモーショナルに牽引していたのも大きい。とりわけ昨年のメロキュアワンマンでmeg rockチームに初参加した山内のドラムがロック度数のアップに寄与していたように思った。山内は、ラウドネスの樋口宗孝に師事し、ハードロックからメタル、ヴィジュアル系まで数々のバンドをサポートしてきたハードヒッターなのだ。

 もう一人のギター川口圭太がエフェクタでトリッキーな音を鳴らし、サウンドにアクセントを付けていたのは、これまでにない試みで面白かった。序盤の「レジへGO!」で「ピュー」というか「ピューン」というか、そういう不思議な音が鳴り、最初はマニピュレーターの菅原拓が出しているのかなと思ったのだが、次第に川口が鳴らしているのだとわかってきた。アンコールのオーラス曲となった「slight fever」ではもう盛大にピュー、ピューンとやっていた。

 meg rockのヴォーカルも変わらずパワフルでチャーミングで安定していて、いつも通りの、でもいつもとはひと味違う、ロック&ラウド感“ロック割増し”のライヴだった。

 あ、そうそう、この日のライヴでは、ステージ、フロアともに、いつにも増して笑い声が、そう、たぶん“ロック倍”くらい多かったことも書き添えておきたい。とても楽しいライヴでした。

※▽は黒字ハートが正式表記。
※「Agape」の「e」はラテン文字マクロン付きが正式表記。

栗原裕一郎

最終更新:10/3(月) 13:20

リアルサウンド