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極右政党党首が初の女性仏大統領になる確率は?

JBpress 10/3(月) 6:15配信

 米国の大統領選は最終コーナーを回って最後の直線コースに入り、米国初の女性大統領が誕生する可能性が高まってきた。では、2017年春のフランスの大統領選で女性大統領が誕生する可能性はあるだろうか。

 最新の各種世論調査によると、極右政党「国民戦線」(FN)の女性党首、マリーヌ・ルペン氏が決戦投票に進出する可能性が高い。大統領の椅子は決戦投票に進出した上位2人によって争われる。

 右派政党「共和党」(LR)では、11月20日、27日に予備選を実施して、7人の大統領選立候補者の中から公認候補を選出する。各種世論調査によるとアラン・ジュペ元首相が目下のところ優勢だが、LRの党員だけを対象にした調査では党首のニコラ・サルコジ前大統領が優勢である。

 複数の世論調査では、ルペン氏、ジュペ氏、サルコジ氏の中で今のところジュペ氏の支持率が最も高い。次いでルペン氏、サルコジ氏と続く。ルペン氏は決戦投票の相手として、サルコジ氏が相手なら「十分に勝ち目がある」(FN幹部)と見ている。

■ 党の本質は相変わらず排外主義的

 FNは、マリーヌ・ルペン氏の父親であるジャンマリ・ルペン氏が1972年に立ち上げた政党である。ジャンマリ氏が党首だった時代は、ナチスによるユダヤ人大虐殺を「歴史の些細な事件」と言い放つなど、徹底的な反ユダヤ主義、外人排斥、人種差別を標榜していた。

 ところが、三女のマリーヌ氏が2011年に党首に就任してから、FNは路線を変更する。テロや難民の増大を背景に、「シェンゲン協定」(ヨーロッパの国家間を国境検査なしで行き来することを許可する協定)や単一通貨「ユーロ」圏からの脱退を主張するなど、「反欧州」や「反移民」を全面的に打ち出すことで、人種差別的な“危険な政党”“悪魔の政党”のイメージから脱却した。

 ただし、排外主義的な党の本質は変わっていない。

 FNはバカンス明けの8月半ばに南仏フレジュス市で党のセミナー(一種の親睦大会)を開催した。ルペン氏は約5000人の支持者を前に、大統領選に向けての実質的なキャンペーン第一声を発した。

 その演説の中でルペン氏は、「フランス人」とは「フランス国への愛、フランス語やフランス文化への愛着によって一致団結している何百万もの男女」であると定義。フランス国民でありながらフランス語の習得を嫌い、イスラム教徒の風俗習慣に固執するイスラム(アラブ)系フランス人を暗に非難した。

 ちなみに、このセミナーでルペン氏は、大統領選の選挙キャンペーン隊長に弱冠28歳のダヴィット・ラクリーヌ氏を任命している。

 ラクリーヌ氏の祖父は、ウクライナからのユダヤ系移民である。だがルペン氏はラクリーヌ氏を「若くて働き者で、才覚があり、忠実」と絶賛し、信頼を寄せている。

 ラクリーヌ氏は15歳の時にFNに入党し、2014年に26歳の若さでフレジュス市長に選出された。第5共和制下で史上最年少の市長である。次いで、南仏ヴァル地方選出の上院議員にも当選した(フランスは公職を2つまで兼任できる)。

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最終更新:10/3(月) 6:15

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