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オバマが見捨てたアレッポでロシアが焦土作戦

ニューズウィーク日本版 10/3(月) 17:13配信

<停戦が事実上崩壊したシリアのアレッポが今、ロシアとシリア政府軍の「武器実験場」と化している。オバマは口だけで手出しはできないと、空からありとあらゆる武器を投下しているのだ> (写真:アレッポへの空爆は再び激しさを増している)

 シリア北部の都市アレッポでは、この8日間だけで1000人以上の住民がロシアの空爆で殺された。ロシアとシリアのアサド政権の新たな攻勢は、アメリカの大統領が変わる前に奪えるものは奪っておこうという計算と、もう少しで勝利に手が届くという確信の表れだ。

 アメリカの国連大使サマンサ・パワーは先週初め、ロシアとロシアの支援を受けたアサド政権軍が反政府勢力の支配地域に対して行っている無差別攻撃を「野蛮行為」と批判した。しかしパワーの言葉とは裏腹に、バラク・オバマ米大統領はロシアとシリアがアレッポで焦土作戦を行うのをただ見ているだけだ。

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 アレッポではこの4年、アサド体制を支持する勢力と反政府勢力の内戦が続いてきたが、シリアの国連大使バシャル・ジャアファリは今週、シリア政府は近くアレッポを奪還すると宣言した。かつてシリアで最も経済的に繁栄したアレッポを取り戻さない限りシリアを取り戻すことはできないが、アサド政権はその目標に近づきつつあるというのだ。

 一方の反政府勢力は、アレッポを失えば意気阻喪する。アサド政権の崩壊がまだまだ遠いと考え、戦闘継続に迷いが生じるだろう。

「武器実験場」と化す

 アサドとロシアに勇気を与えているのは、口では虐殺を非難しても、軍事行動は起こさないオバマ政権の態度だ。アレッポは今や、「武器試験場」と化している。アレッポに援助物資を運び込む車列が標的にされたのは記憶に新しい。空爆でトラック18台が大破し、ボランティア12人が死亡した。焼夷弾も投入され、周囲の壁は焼け焦げている。ロシア軍は空爆に燃焼温度が1000度に達するテルミット弾や白リン弾を使用。ベトナム戦争で使われたナパーム弾のようなものだ。核兵器に次ぐ破壊力をもつサーモバリック爆弾や真空爆弾も使った。アサド政権は相変わらずたる爆弾を使っている。ドラム缶に火薬や金属片を詰めた簡単な武器だが、金属片があちこちに飛び散る無差別殺傷兵器。アサドはこれで2014年以降3000人以上を殺している。アレッポ市内だけで1日8人の計算だ。国連の化学兵器禁止条約に加盟しているにもかかわらず、化学兵器も使用し続けている。

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 アサドとロシアは、オバマがアメリカの大統領である限り、いくら民間人を爆撃してもアメリカは攻撃してこないと見抜いているのだ。アメリカ国内でも批判は高まっている。6月には、オバマ政権のシリア政策を批判し、アサド政権に軍事行動をとるよう促す内部文書に51人の外交官が署名していたことが明らかになった。

 アサドはAP通信の取材に対し、アメリカ率いる有志連合が反政府勢力を支援し続ける限りシリア内戦は終わらない、と語った。アサドは正しい。ロシアの支援を受けたアサド政権軍とアメリカの支援を受けた反政府軍との戦いは、敵を圧倒して正当な国家を作る力のある勢力がない限り、終わりなき内戦の泥沼にならざるをえない。可能な解決策は1つしかない。アメリカと国際社会が本気でロシアにアサドの支援を止めさせること、それも言葉だけでなく行動を起こすことだ。

The article first appeared on the Atlantic Council site.

Mona Alami is a Nonresident Fellow at the Atlantic Council's Rafik Hariri Center for the Middle East

モナ・アラミ(米大西洋評議会)

最終更新:10/3(月) 23:54

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