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“生きて届く乳酸菌”は必須? 塩分過多の漬物は食べるべき? ドクター秋津がジャッジ! 健康長寿の新常識

デイリー新潮 10/3(月) 12:30配信

 総合内科医の秋津壽男(としお)医師(62)が、二者択一の設問を通じて、長寿の新常識を指し示す。今回取りあげるのは“乳酸菌”にまつわる疑問だ。

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 よく医食同源と言います。第3の設問からは、病気知らずの強い体を作るための「食」にこだわり、日々、新しくなる常識を紹介しましょう。そのトップバッターはヨーグルトです。

 今や、「腸内フローラ」という言葉をご存じない方はまずいないでしょう。人間の免疫細胞の60%以上は腸に存在することが分かってきました。そのため、医療シーンでは腸内環境の改善による免疫力アップと、感染症やがんなどの病気予防に熱視線が集まり、一大ブームとなっているのです。

 人間の腸内には100兆個ともいわれる細菌が住んでいます。多様な菌が仲間同士で集団を作る姿が「お花畑」(=flora・フローラ)に似ていることから、この名がつけられました。

 腸内細菌を大別すると、身体に有用な「善玉菌」、有害物質を生む「悪玉菌」、優勢な方に味方する「日和見菌」の3種がある。理想の割合は、善玉2割、悪玉1割、日和見7割とされます。

 腸内フローラの改善には乳酸菌を含むヨーグルトの摂取が一番です。なぜなら、善玉菌は乳酸菌を食べて活発化するからです。

 そこでどのヨーグルトを選ぶかですが、スーパーやコンビニの棚には目移りするほど数多の商品が並んでいる。ここで気づくのが、メーカーがやたら「生きて腸まで届く」乳酸菌をアピールしている点。確かに乳酸菌の多くは消化器官を通る時に、胃酸などで死滅してしまいます。どの商品が最も多量の乳酸菌を腸まで運んでくれるのか、素人には分からず、悩んでしまう。しかし次に挙げる設問は、そうした懊悩には意味がないことを教えてくれます。

■【Q3 ヨーグルトは「生きて腸まで届く」乳酸菌が必須?】

 確かに「生きて腸まで届く」利点を謳っている商品とそうでないものを比べると、後者の乳酸菌の方が胃酸で死ぬ率が高いかもしれません。しかし、100%死んでしまうということはない。1%でも、たとえ0・1%でも生き残って、腸に到達できれば良いのです。なにしろ元の数は1000億という単位。このうち1万分の1でも腸に届けば充分で、すぐに100万倍に増殖していきます。

 こうして爆発的に増殖した乳酸菌が善玉菌の栄養源となり、逆に悪玉菌のエネルギー源である糖やタンパク質を奪ってくれる。しかも途中で死んでしまった乳酸菌も他の乳酸菌のエサとなります。乳酸菌は死骸になっても、充分役に立っており、そのパワーは生死を問わない。つまり、メーカーの宣伝を鵜呑みにし、「乳酸菌が生きたまま腸に届くヨーグルト」でなければ効果がないと考えるのは、ナンセンスというわけです。

 乳酸菌と言えば、動物性ではなく、日本発・植物性の乳酸菌を含む食べ物についても言及しておきましょう。

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最終更新:10/4(火) 12:40

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