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あれ、きり(長澤まさみ)が可愛い……!? そして次回よりついに真田幸村が爆誕!!『真田丸』第39話「歳月」レビュー

おたぽる 10/4(火) 11:01配信

 丸々1話を使って日常のエピソードを描き、一部のファンからは驚きの声が上がった『真田丸』。“大坂の陣”突入前の息抜き回、といった感じの1話であったが、興味深いエピソードが散りばめられ、また“昌幸ロス”を懸念していたのか笑いどころも多い1話となった、大河ドラマ『真田丸』(NHK)第39話「歳月」を今週もレビュー!

 10年以上もの歳月が流れ、真田信繁(堺雅人)は春(松岡茉優)や子どもたちと共に過ごす、九度山での暮らしを満喫していた。昌幸(草刈正雄)の死を知り、駆けつけた信之(大泉洋)にも、赦免嘆願はもう不要だと答える。ただ、父としては長男の大助(浦上晟周)をどのように育てるべきなのかに悩んでいた。一方、かつて信繁がルソンに逃がしたたか(岸井ゆきの)が、海外の珍しい紐(ひも)を持って訪ねてくる。信繁はその紐を見てあることを思いつく。そんなある夜、明石全登(小林顕作)が、信繁を迎えに来たと告げる! といったストーリーが展開した「歳月」。なお視聴率は16.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)。

 この39話のテーマは何かといえば、やっぱり信繁と家族といったところだったと思う。大助、お梅という2人の子ども、障子にプスプス穴を開けていく様子がとても怖い春ときり(長澤まさみ)らと、信繁がどんな一家を形成していったのか。『真田丸』はずっと真田家という一家のお話を真ん中に据えていたけど、上田から離れ、信之(大泉洋)や家臣たちと別れてしまっても、信繁たちはしっかり真田家なんだなぁと思わせてくれる展開だったと思う。

 息子との距離を測りかねていた信繁が、息子に囲碁を教わるという終盤のシーンもいいし、久しぶりに信之を杯を交わし、お互いがお互いを羨ましく思っていたと語り合うシーンも、これまでありそうでなかった1シーンだった。また、これまでウザイウザイと言われてきたきりへの好感度も、ここにきてグッと上がってきたように感じる。

 いいとこの出身である信繁や春に比べて、生活力はあるし、細かいところまで気は使えるし。たかという新たな敵が現れたことで、ようやく春ときりが上っ面だけではない会話を交わしはじめたこともあってか、「きりが良い子すぎて泣けてくる」「信繁はきりが好きなのか、どっちなんだよ!」という声がネット上でも上がり始めているようだ。


 何せ長澤まさみが演じているんだし、俺は最初からきりの人気が上がってくると思ってました(手の平クルー)。まぁ、作中ではもう30年以上の時間が経っている。物語序盤から登場していて、今でも信繁と行動を共にしているキャラクターも佐助(藤井隆)と高梨内記(中原丈雄)、そしてきりぐらいとなってしまった。恋愛感情があるかどうかは分からないが、もうお互いにとって家族みたいなものだろう。きりもキャラクターとしては少なくともアラフォー以上なんだと思うと微妙だが……。

 なお、たか(隆清院)も史実では信繁との間に、2人の子どもを授かっている。今後も出番はあるのか、イチャイチャするようなシーンはあるのか、楽しみにしたい。

 佐助がまたもや意外な絵心を見せたり、これまでマジメ一辺倒だった信之お兄ちゃんが恋に目覚めたり、物語冒頭、仏壇に昌幸がよく手で弄んでいた胡桃が供えられていてグッときたりと、細かなところでもファンを楽しませてくれた『真田丸』。作品全体のテーマの一つである“家族”に続く第39話での見どころは、やはり“真田紐”と“そば”。

 作中でも触れていたが、現在我々が食べているそば=麺状のそばきりが普及するのは江戸時代になってからのこと。しかし「ひもじい思いはさせん」といっておいて、そば粉を死ぬほど送ってくる信之には笑わせてもらったが、実際には九度山への仕送りで、信之と真田家の家計はかなり厳しかったよう。この辺は時代考証を務めている平山優氏、丸島和洋氏の著作でも触れられているので、興味がある人は勉強してみよう。

 また、『真田丸』公式サイトでは“真田紐指導”を務めた、和田伊三男氏へのロングインタビューが掲載されているのだが、詳しく、そして面白いインタビューとなっている。“真田紐指導”とは聞きなれぬ肩書きだが、和田氏は戦国時代から京都で真田紐をつくり続けている「真田紐師 江南」の15代目だそうで、真田紐に関する時代考証を務めている。“和田伊三男”でググると、他サイトでのインタビュー記事なども見つけられる。

 ラストで大坂城からの使いが現れ、つかの間の真田家の一家団欒は終了となってしまうようだ。物悲しい気分にもなるが、次号予告では超カッコいい赤備え&真田“幸村”が登場した。信繁で通すかと思っていたが、創作物では有名でも史実では使われた形跡のない“真田幸村”の名を、信之に“幸”の一字を捨てさせてから持ってくるとは、実に心憎い演出。関ヶ原が超高速で終わっただけに、大坂の陣はド派手に描かれることに期待したい。
(文・馬場ゆうすけ)

最終更新:10/4(火) 11:01

おたぽる

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