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クックパッド、社内クーデター的社長解任劇で混迷深まる…株価暴落、幹部と社員に亀裂

Business Journal 10/4(火) 6:01配信

 創業者と経営者の対立はお家騒動の定番だが、今年は社外取締役が一枚噛んだりして、より複雑になっている。名付けて「企業統治型お家騒動」。料理情報サイト運営のクックパッドは、その典型である。

 クックパッドは、企業統治の模範生といわれた時期があった。創業者の佐野陽光氏は2007年に会社法に基づく指名委員会等設置会社に移行した。社外取締役が過半数を占める指名委員会が決めた人事案は、法的拘束力がある。たとえ社長でも、指名委員会が取締役解任を決定すれば、株主総会の決議を経た後に解任される。いわば、社外取締役に経営者の首を切る権限を与えたわけだ。

 ところが、指名委員会を設置した本人が、同委員会を軽んじるような行動に出た。

 佐野氏は外部から社長に招聘した穐田誉輝氏に経営を委ねたが、経営方針をめぐって両者が対立。佐野氏は2015年11月、自身の社長復帰を取締役会に提案したが、指名委員会は同年12月、佐野氏の提案を却下した。

 これに対して発行済み株式の43.5%を保有する佐野氏は今年1月、自分を除いた全取締役を刷新する株主提案をすると表明し、お家騒動が火を噴いた。その後、2月に佐野氏と会社側の妥協が成立し、佐野氏が推す新しい社外取締役の選任案で一本化した。

 3月の株主総会で、この人事案が可決されたことで事態は沈静化するかに思われた。ところが、総会後の取締役会で社長追い落としの解任劇が強行された。続投すると見られていた穐田氏が社長を解任され、コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー出身で取締役に選任されたばかりの岩田林平氏が新しい社長に就いた。

 佐野氏は、自分が策定した人事案にノーを突きつけた社外取締役たちを一掃、自分の考えに近い社外取締役を動員して穐田氏を退任に追い込んだ。創業者のゴリ押しによって、模範的といわれたクックパッドのコーポレートガバナンスは絵に描いた餅でしかなかったことが白日の下にさらされた。

●前社長は保有株を売却

 お家騒動の後遺症は大きかった。クックパッドの株価は3日連続で続落。8月30日、一時951円まで下落し、年初来の安値を更新した。クックパッドは8月25日、穐田氏が保有株を大量に売却すると発表。これが個人投資家の嫌気売りを誘った。その後、9月21日に942円まで下げ、さらに安値を更新した。

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最終更新:10/7(金) 10:59

Business Journal