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株式会社クボタ | 理系のシゴトバ

就職ジャーナル 10/5(水) 10:00配信

理系のシゴトバ
株式会社クボタ

【今回の訪問先】クボタ 調達本部 調達第一部 調達管理室 筑波調達管理課
トラクタや田植機、コンバインなど、農業ではさまざまな機械が使われています。それら農業機械の分野で国内トップクラスのシェアを獲得し、業界をけん引しているのがクボタです。一般的にクボタというと農業機械メーカーというイメージがありますが、もともとは鋳物メーカーとしてスタートしました。当初ははかりの分銅や部材を作っていましたが、次第に鋳物の品質や精度が評価され日用品鋳物を作るようになり、水道用鋳鉄管(鋳物製の水道管)の製造を手がけるようになりました。1922年には農工用の発動機の製造を開始。60年には畑作用乗用トラクタT15を完成させます。このようにクボタでは創業以来、人類の生存に欠かせない食料、水、環境という3つの分野に焦点を定め、それぞれの分野で抱えている問題・課題を解決する技術や製品、サービスを開発し、提供してきました。例えば、水であれば水道管やポンプ、バルブ、食料であれば農業機械および農業関連製品、そして環境においては水処理システムなど社会インフラの整備を行っています。しかもこの3つの分野で抱えている課題は個別のものではなく、すべてが密接に結び付いています。クボタでは食料、水、環境を一体のものとして捉え、その課題解決に貢献するため事業活動を行っているのです。今回はそんなクボタの調達本部 調達第一部 調達管理室 筑波調達管理課のシゴトバを訪れました。
 

■ 「調達」が止まらない生産ラインを支える

調達本部 調達第一部 調達管理室 筑波調達管理課のシゴトバはクボタ 筑波工場(茨城県つくばみらい市)にあります。最寄り駅はつくばエクスプレスのみどりの駅。そこから15分ほど歩けば、工場正門に着きます。つくばエクスプレスは東京・秋葉原と茨城県つくば市を結んでいる鉄道路線で、秋葉原駅からみどりの駅までは44分。都心にも1時間かからずに出ることができる便利な場所です。駅からのアクセスは徒歩圏内ですが、社員の99.5パーセントはマイカー通勤をしているそうです。
筑波工場では主にトラクタとエンジンを製造しており、これら製品のグローバル展開を支える国内の主力工場という役割を担っています。2015年10月期に放送されたTBSのテレビドラマ『下町ロケット』の舞台、佃製作所のエンジン生産の様子は、筑波工場の実際のエンジン生産現場で撮影が行われたそうです。現場の社員の中には、エキストラとして登場した人もいるとのことでした。

 

調達本部 調達第一部 調達管理室 筑波調達管理課のシゴトバを同課に所属する原 智大(ともひろ)さんが紹介してくれました。
「クボタでは調達本部という組織があり、機械事業の製品に使用する部品や素材を調達する調達第一部があります。その中で品目別に分かれたバイヤー部門が存在しており、部品や素材がQCD(Quality:品質・Cost:コスト・Delivery:納期の略)を考慮して調達されています。私の所属する筑波調達管理課では、筑波工場に納入された部品や素材を製造ラインから要求されたタイミングで、要求された場所に供給することが使命です。このほかにも部品の在庫管理、部品がスムーズに供給できるよう工場内物流の構築や最適化を行ったりします。また筑波工場ではすべての部品を組み立てているのでなく、一部部品のアッセンブリーを近郊組立業者にお願いして、そのバイヤー業務を私が担当しております」(原さん)
写真は筑波調達管理課の執務エリアです。
「ワンフロアにすべての課があり、隔てるものもなく、コミュニケーションがとりやすい風通しの良い職場になっております」(原さん)

 

「調達というとずっとデスクに座って事務作業というイメージがあるかもしれませんが、一日の大半は製造現場や取引先の現場に行っています」と原さん。
「例えば私が主で担当しているバイヤー業務でも現場に行くことが多々あります。取引先にアッセンブリー作業を発注する場合、そのアッセンブリー作業が実際にはどのくらいの工数(時間)がかかるか、現場で確認をしております。また、製造ラインが問題なく流れるように、現場に異常がないか見て回ることも欠かせません。部品調達が原因で、製造ラインを止めないように、異常を早めに処理・対応していくことを心がけています」(原さん)

 

筑波調達管理課は70人のメンバーで構成されていますが、その大半は実際に製造ラインに部品を供給したり、運搬台車のメンテナンスをしたり、生産現場の物流改善に取り組むなど、現場で作業をする作業員。そんな彼らの事務所(下部写真)は製造ラインに近い場所に設けられています。写真はレイアウト図を見て、改善点がないか、話し合っているところです。
「どうすればより効率よく部品を管理・供給できるか、改善すべきポイントについて常に話し合います。製造の世界では『後工程はお客さま』という言葉があります。つまり調達にとっては製造に携わっている人たちはお客さま。そのお客さまの業務がうまく回るよう、私たちも知恵を出していくことが求められているのです」(原さん)

 

取引先へもよく訪れます。写真は構内請負業者として筑波工場内に拠点を設けている取引先です。ここでは製品(トラクタ・エンジン)が出荷される際に付属される部品や取扱説明書を一つの段ボール箱に詰める業務を行っています。
「私はバイヤー業務を担当しているので、その取引先であるパートナーが作業をする上で何か困っていることはないか、現場を訪れてヒアリングしたりします。そしてその困りごとをパートナーと共に解決するような改善活動も行います。例えばその作業をするのに2人かかっていた作業を1人でできるように改善したいと取引先の要望があれば、どうすればそれができるか考えます。というのもそれが実現すれば、私たちにとっても、コストダウンというメリットが得られるとともに、Win-Winの関係性が築け、お互いの会社の体質強化につながるからです」(原さん)

 

写真はドラマ『下町ロケット』の撮影の舞台となった、エンジンの製造ラインへ構内運搬車で部品を供給しているところ。生産しているのは「Kubota 03シリーズ」。トラクタやフォークリフトなどに搭載されるエンジンです。
「このラインでは30秒に1台というスピードで製品が作られていきます。ラインを止めないよう、必要な部品を1台分ずつピッキングして、必要な工程ごとにお届けしています」(原さん)

 

筑波工場で生産されているトラクタです。
「筑波工場では21~105馬力までのトラクタを生産しております。その約7~8割は海外へと出荷されていきます」(原さん)

 

■ ハタラクヒト 理系も文系もさまざまな人が活躍するシゴトバ

引き続き、原さんにクボタで働く魅力、やりがい、職場の雰囲気などについてうかがいました。

 

原さんは東京農業大学地域環境学部生産環境工学科を卒業し、2013年4月にクボタに入社しました。
「学生時代は農業土木系の学科で、農業機械を専攻していました。人口増加により、食料問題が人類の課題として注目されています。そんな食料問題について、農業機械の提供を通じて貢献したいと思い、農業機械メーカーへの就職を考えました。その中でクボタを選んだのは、国内でも高いシェアを誇るメーカーであり、グローバルでも業界をけん引する存在だったからです」

 

6カ月間の新人研修ののち、10月に調達第一部に配属され、さらに約6カ月間、現場研修を行い、14年4月に現在の部署に配属されました。
「これまでの調達部門では、文系出身の人も配属されていましたが、私たちの世代から徐々に理系出身者が配属されるようになり、今では理系の知識を生かせるシゴトバとなっています。というのも図面を読む力も求められますし、生産現場や取引先の現場を改善するという一歩踏み込んだ業務では、部品のことがわかるというような技術者としての視点や知識が役に立つからです。したがって多いのは機械工学や材料系の出身者たち。そのほかにも情報系の出身者もいます。ただ私のように土木系の出身者は少ないですね。私は農業機械を専攻していたとはいえ、卒業論文のテーマは育苗で、今の仕事には直接、関係していません。実際には私たちの部署では文系出身者を含め、さまざまな知識を持った人たちが活躍しています」

 

調達の仕事でのやりがいについてうかがうと、「取引先の作業現場において、指導した改善活動で成果がでたとき」と語ります。
「その結果、部品の単価が下がったりすると、会社にも、最終的に製品を買ってくださるお客さまへの貢献にもつながり、大きな達成感が得られます」
一方、苦労したことも幾度となくある、と原さん。
「15年9月に豪雨により鬼怒川が決壊するという自然災害がありました。私たち従業員だけではなく、取引先の方も被害をうけるなど、部品調達が非常に難しい状況に陥ったんです。しかし製造ラインを止めることはできません。そこでいかに部品を調達して、製造ラインへの影響を最低限にとどめることができるか、製造現場や生産管理課の人たちとコミュニケーションを取って、なんとか乗り切ることができました。この仕事はそういった調整能力が非常に求められます。学生時代からいろんな人とかかわったり、何かチームで達成した経験を持つといいかもしれません」

 

最後にクボタという会社の風土や文化についてたずねました。
「クボタは創業者である久保田権四郎が水道の鉄管製造にチャレンジしたことから、会社の歴史が始まりました。その創業者のチャレンジ精神は今も社内に生きています。特に筑波工場は、チャレンジへの意欲が旺盛ですね。というのも『下町ロケット』というドラマが大きく影響しているんです。あのドラマでは常にチャレンジが行われていましたから。それに刺激をうけ、私たちも日々、チャレンジ精神を持って仕事に取り組んでいます。また他部署など横のつながりもあり、風通しの良さも私たちのシゴトバの特徴です」

 

■ 昼休みは工場内に広がる緑地でリフレッシュ

筑波工場は環境に配慮した工場となっており、工場敷地内に広範な緑地を設けています。
「昼休みには芝生の上に座ってのんびりしたり、体を動かしたりしています」(原さん)
写真は原さんが同僚とラグビーボールで遊んでいるところです。

 

クボタは「クボタスピアーズ」という、ジャパンラグビートップリーグ所属のラグビーチームを持っています。同チーム所属の合谷選手とトゥキリ選手はリオデジャネイロ・オリンピックの7人制ラグビーでも全試合に先発出場し、活躍しました。写真は16年8月27日に東京・秩父宮ラグビー場で行われたジャパンラグビートップリーグの試合での応援の一コマ。みんなでそろいのスピアーズビブスを着用します。
「この時の対戦相手は強豪の東芝ブレイブルーパス。会社の仲間とスピアーズの応援に行くことも。スポーツ観戦は楽しいですね」(原さん)

 

■ クボタにまつわる3つの数字

トラクタやコンバインなど、国内外で農業機械の分野をけん引しているクボタ。以下の数字は何を表しているのでしょうか? 正解は、次の記事で!

1. 1890年

2. 約3000点

3. 約3万6000人

前回(Vol.157 太陽ホールディングス株式会社)の解答はこちら

 

取材・文/中村仁美  撮影/臼田尚史

最終更新:10/5(水) 10:00

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