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豊洲新市場問題、ユーザー軽視の代償「怖いのは土壌汚染だけじゃない!」

週刊女性PRIME 10/5(水) 11:00配信

ついに環境基準を超すベンゼン、ヒ素を検出! 

「安心・安全を確保する。それなしに市場はそもそもありえない」

 東京都の小池百合子知事(64)は9月30日の定例会見で、築地市場の豊洲移転を白紙撤回する可能性についてそう述べた。まさしく「都民ファースト」の消費者目線といえるだろう。しかし同時に、見通しの読めない言い方でもあった。

 移転延期の発表から約1か月。最終的に移転するのか、現地再整備に方針転換を図るのか。小池知事は、豊洲予定地の地下水モニタリング調査の最終結果が来年1月に出るのを待ち、複数の有識者会議の見解を踏まえるとしたうえで、

「多角的に判断できるタイミングをはかっている」

 と明かすにとどめた。

 前日29日には恐れていた事態が発覚した。豊洲の地下水から環境基準の1・1~1・4倍のベンゼンと、1・9倍のヒ素を検出。約2年にわたる地下水モニタリング調査で初めて環境基準を超える有害物質が見つかった。

 市場問題に詳しい全国紙社会部記者が言う。

「土壌汚染の専門家は“飲むわけじゃないから問題ない”などとコメントしていたが、また新たな不安のタネが出てしまった。全9回の調査の8回目で基準値超えというのが気になる。7回目までは問題なかったのだから。当初の11月移転のスケジュールどおりに進んでいたら危なかった」

「都はよくなると言うが、これが全くの大ウソ」

 なぜ、いまごろになって問題が次々と明るみに出るのか。ほかにいくつぐらい問題が出てくる可能性があるのか。

 築地市場で働く従業員でつくる『東京中央市場労働組合』の中澤誠・執行委員長は「細かく言えば100個ぐらい問題があるんじゃないか」として、次のように話す。

「新しい施設をつくったら、物流効率がよくなるのがフツーでしょ? 都はよくなると言っていたけれど、これが全くの大ウソ。豊洲は閉鎖型の市場なので、荷物を積んだトラックは荷卸しの順番を数珠つなぎで待つしかない。築地は開放型なので卸したいところに車を止めて、スピーディーに荷卸しできる。全国から魚を運んできたトラックが数珠(じゅず)つなぎで順番を待つというのは現実的ではありません」

 荷卸しスタイルにも問題があるという。築地の場合、大型トラックは面積の広いサイドの扉を開けて、一気に荷卸しに取りかかることができる。しかし豊洲では、1度に荷卸しする台数を少しでも多く確保するため、トラック後部を施設に向けて止めなければならない。つまり、面積の狭い後部の扉を開け、少しずつ荷卸しすることになる。

「いかに短時間で大量の荷物をさばくかが卸しの仕事。現在のスピードを維持するためには、そうとう人手を増やす必要がある。また築地は平面配置だけれど、豊洲の仲卸棟は売り場が1階で駐車場が4階。縦の動線が重要になってきますが、後づけのスロープは道幅に余裕がなく、狭くて急なヘアピンカーブをジグザグ上り、上り・下りが対面式なので事故が心配です。エレベーターも少なく、これも順番待ちになりそうです」(中澤委員長)

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最終更新:10/5(水) 11:00

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