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ワーナーの一斉リストラ、執拗な退職勧奨工作を元社員が告発…突然の解雇、審判を申立

Business Journal 10/5(水) 6:03配信

「ワーナーがこんなことをやっていいのかという気持ちです。一方的な通告ではなく、『もう少し話し合いましょう』と言いたいです。制作の現場に戻るつもりはなく、裏方の仕事でも、『出向待機』の身分でもいいから正社員としての復職を目指しています。私がかかわってきたタレントや音楽家のなかには、事情を聞いて『応援したい』と言ってくれた人もいます」

 ワーナーミュージック・ジャパン(以下、ワーナー)の元社員であるAさんは、10月3日、厚生労働省内の厚生労働記者クラブで記者会見を行い、こう訴えた。

 ワーナーといえば、ユニバーサル・ミュージック、ソニー・ミュージックエンタテインメントとともに「世界3大メジャーレーベル」に数えられている米ワーナーミュージック・グループ傘下のレコード会社。設立は1970年。洋楽、邦楽ともラインナップは幅広く、J-POPでは現在、山下達郎、竹内まりや、コブクロ、きゃりーぱみゅぱみゅ、ゲスの極み乙女。などの人気アーティストのCDを出している大手である。年商は250億円で業界第5位のポジションにある(2014年度/帝国データバンク「TDB業界動向」より)。

 なぜAさんは、そんな日本を代表するレコード会社であるワーナーを公然と批判することとなったのか。今回はAさんが8月に同社から突然解雇を通達されるまでの経緯を追いながら、同社内で行われてきたリストラの実態に迫る。

●労働移動支援助成金

 ワーナーは2015年夏、ベテラン社員30名に対し「リストラ」を実施した(後述参照)。そこでは、安倍内閣が14年3月に対象を中小企業から大企業に広げ、予算規模も2億円程度から約300億円へ大幅拡大した「労働移動支援助成金(再就職支援奨励金)」を利用していた。

 この制度は、企業の事業規模縮小などで労働者の離職が余儀される場合、企業が再就職支援を職業紹介会社に委託したり、労働者に求職活動のための休暇を付与するための助成金を国が支給する、というもの。再就職が決まった場合には職業紹介会社への委託費用のうち最大60万円まで、再就職が決まらなかった場合でも10万円が支給されていた。人材関連ビジネスを行っている企業にとっては、リストラ支援がカネになるビジネスチャンスだった。

 制度の目的として「成熟産業から成長産業へのスムーズな人材移動を促す」と謳われたが、実際は対象が拡大した14年3月当時から、「政府がコストを負担してリストラを奨励する」「再就職支援と称して人材会社が乗り込んで、カネ目当てにリストラ指南をする」「不当な解雇に悪用される」などと、批判の的になっていた。

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最終更新:10/5(水) 6:03

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