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“ノーベル賞の登竜門” 京都賞とは? 受賞8人目、あのカリスマ経営者の影も!

NIKKEI STYLE 10/5(水) 18:10配信

生理学・医学賞の大隅教授も4年前に受賞

 毎年10月の発表シーズンを迎えると、誰が受賞するのかが大きな注目を集めるノーベル賞。その予想は難しいが、今や日本発の先行指標といわれるのが京都賞だ。2016年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった東京工業大学の大隅良典栄誉教授は、12年に京都賞を受賞している。京都大学の山中伸弥教授など日本人で3人、外国人で5人がノーベル賞受賞の前に京都賞を受けた。カリスマ経営者と呼ばれる京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が1985年に創設した国際賞だが、その存在感が高まっている。

■京都賞の日本人3人が相次ぎノーベル賞

 「日本人の受賞は増えているけど、ノーベル賞を誰かとるかは分からない。昔は京都賞なんて意識していなかったけど、確かに今はノーベル賞の登竜門といわれ始めている」。東京大学農学部のある教授はこう明かす。

 実際、大隅教授のほか、山中教授は2010年に京都賞に選ばれた後、12年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。名城大学終身教授の赤崎勇氏も09年に京都賞、14年にノーベル物理学賞をとった。外国人でもIC(集積回路)の発明者、ジャック・キルビー氏が1993年に京都賞を受賞後、2000年にノーベル物理学賞を受賞したのをはじめ、計5人が京都賞を受賞した後、ノーベル賞を受けている。

 京都賞は稲盛氏が理事長を務める稲盛財団が運営主体。科学や文明の発展などに貢献した人を顕彰する国際賞だ。毎年、先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の計3部門で賞が贈られる。副賞は5000万円。審査する京都賞委員会は中西重忠・京大名誉教授ら10人の学識経験者で構成される。委員に外国人はおらず、ノーベル賞受賞者では野依良治氏が名を連ねる。

■ノーベル賞を意識してはいないが

 稲盛財団は「ノーベル賞を意識しているわけではないが、結果的に京都賞の受賞者がその後、ノーベル賞を受賞するケースが増えているのは事実だ」という。

 京都賞は1985年のスタート時から注目されたわけではない。稲盛氏が京セラを起業して上場し、急成長する過程で得た個人的な資産をベースに生まれた。あくまでも京都の1人の起業家が創った賞だとして、メディアの扱いは小さかった。だが、稲盛氏が「第2の創業」をうたって現在のKDDIをつくり、日本航空を再建するなどして、「カリスマ経営者」として名を上げるのと歩みを合わせるように、世の中の評価を高めてきた。

 稲盛氏はもともと技術者。倒産寸前の会社の若手技術者としてファインセラミックなどの開発にあたり、その後、起業した。「カネもなく、オンボロの社屋で研究に没頭した」という稲盛氏。電子部品のほか太陽光発電や医療材料など様々な技術領域に手を広げた。80歳を超えた今も科学技術に対して強い情熱を示す。カリスマも自らが創設した賞の目利き力ににんまりと笑みを浮かべているかもしれない。

(代慶達也)

NIKKEI STYLE

最終更新:10/5(水) 18:10

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