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激減する豆腐製造業者だが、活気あるメーカーも。二極化する豆腐製造業

HARBOR BUSINESS Online 10/5(水) 9:10配信

 日本の伝統食品「豆腐」については、以前から縮小する市場について業界関連団体は危機感を募らせていた。

 豆腐の業界団体である全国豆腐連合会(全豆連)によれば、1989年(平成元年)には22,740事業所あったが、2014年は8,017事業所と、半数以下へと減少している。(参照「全豆連」※pdf)

 豆腐製造業者は、現在も、家族従事者を主体とする小規模事業者が圧倒的多数を占めている。そのため、事業所数が減少した理由としては、機械化が取り入れられたこと、スーパー等大型店を通す販売が進み、ある程度の事業規模が必要となったことなどが挙げられている。

 個人営業の豆腐製造業者が減りつつある中で、豆腐文化そのものの存続も危惧されているようだが、中規模以上の元気な豆腐メーカーが存在している。

◆6年間で業績を4倍にした「相模屋食料」

 相模屋食料株式会社は、1951年設立、群馬県前橋市鳥取町に本社を置く、豆腐、厚揚げ、油揚げを製造する非上場の食品メーカーである。2009年、売上高90億円と豆腐業界トップに立ち、2010年には業界初の売上高100億円を達成した。2015年の売上は201億円となった。(参照「相模屋食料」)

 相模屋食料は、設備投資やM&Aで規模を拡大してきた。絹ごし、木綿豆腐の生産量は日本一である。2005年、日本最大の豆腐製造工場である第三工場稼働から売り上げを伸ばしてきた。豆腐製造工場には、豆腐製造ロボットが稼働し、生産性を上げている。

 また、大量生産工場による量と生産性の追求だけでなく、ユニークな豆腐の開発による爆発的なヒットも飛ばしている。

 例えば、2012年3月に発売された、『機動戦士ガンダム』から発想して創られた「ザクとうふ」は、SNSでも話題となり、爆発的なヒットとなった。特に、豆腐の男性ファンが増えた。

 他にも、料亭「菊乃井」とのコラボである「菊乃井とうふシリーズ」、「経験のない新食感。もっちもち×のび~る×とろける ナチュラルとうふ」、シリアルブランド No.1のカルビー「フルグラ」とのコラボである「とうふで、グラノーラ。」などがある。コラボなどを上手に活用し、知名度と業績を伸ばしている好例だろう。

◆2016年にジャスダック上場したやまみ

 株式会社やまみは、広島県三原市に本社を置く豆腐製造大手の食品メーカーである。2016年6月、ジャスダックに上場した。

 西日本屈指の禅寺「仏通寺」に奉納した国産大豆を100%使用した木綿とうふ「国産大豆 禅とうふ 木綿」や、「もっちり絹厚揚げ」などでヒットを飛ばしている。

 同社は自社の強みについて、①機械化による作業員の手の触れる部分の限定、一部ラインの完全自動化などにより、衛生面で高いレベルの製品製造が可能であること、②短時間で大量生産が可能なラインを導入することにより個当たりの製造単価を引き下げ、価格競争力のある製品製造にあるとしている。(参照:「有価証券報告書」)

 また、事業の規模拡大を図るとともに、食品加工業や外食業向けの業務用豆腐の製造販売に取り組んでいる。業務用豆腐の市場は、小売業者、卸売業者などの流通業者向けの販売と比較して競争の少ない市場であり、競合他社が本格的に手掛けていない領域であることがあることから、参入する価値のあるものとしている。

◆豆腐界に新たな旋風を巻き起こした「男前豆腐店」

 父親が経営していた豆腐メーカー三和豆友食品(現三和豆水庵)在籍時に「男前豆腐」、「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」といった、今までにない斬新なマーケティング手法で売り出した伊藤信吾氏が独立起業した豆腐メーカー。「男前豆腐」、「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」は現在、元いた会社が製造しているが、男前豆腐店は今も「やさしくとろけるケンちゃん」「男の3連チャン」「豆腐屋信吾」といった伊藤氏独特のセンスによる豆腐を販売している。

 2005年に起業してから8年間で年商60億を売り上げたとされている。(参照「読売新聞」)

 豆腐以外にもオリジナルグッズなども販売しており、独自のセンスが見受けられる。

 個人経営の豆腐店の廃業増加は昭和の風景の喪失として寂しくはあるが、健康志向が強まる中、大豆を使った食品は、日本のみならず外国からも注目を集めるだろう。また、日本の豆腐とは趣がことなるが中国も豆腐をさまざまな料理で活用する国だ。訪日中国人の増加や、日本製品への信頼度が高い中国市場への輸出などに視野を広げれば、まだまだ豆腐の市場自体は拡大していくのではないだろうか。

 相模屋食料ややまみのように、豆腐ビジネスで成長する企業が今後も出てくることを期待したい。<文/丹羽唯一朗>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:10/5(水) 9:10

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