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「専門家」人材がAIに仕事を奪われる日 コンコードの渡辺秀和社長に聞く

NIKKEI STYLE 10/6(木) 7:47配信

 2020年の東京五輪・パラリンピック後の「post2020」時代にビジネスリーダーのキャリア戦略を考えるうえで、人工知能(AI)の動向は無視できない。ファンドや外資系企業への転職に強みを持つ人材紹介会社、コンコードエグゼクティブグループ(東京・千代田)の渡辺秀和社長にキャリア戦略について聞く最終回は、AI時代のキャリアについて考える。(聞き手は公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司)

藤田

 AIの進化に伴い、AIに取って代わられる可能性がある仕事も出てきますね。

渡辺

 post2020時代のキャリア戦略を考えるうえで、AIの進化を考慮に入れることは必須といえます。今までは大きく分けて、経営スキルを身につけて「経営者」として組織をリードしていく方法と専門スキルを身につけて企業内の「専門家」として価値を生んでいく方法の2つがありました。しかし、AIの登場によって「専門家」としてのキャリアが瓦解するリスクが出始めています。特定領域における豊富な専門知識や事例をベースにしてパターンに導き出し、与えられた問題を解決するという仕事はAIが最も得意とするものだからです。

藤田

 AIは「経営者」人材としてのキャリアには、どのように影響するでしょうか。

渡辺

 将来のビジョンや夢といった大きな絵図を描く、新しく事業を作る、必要な人を巻き込むといった役割が経営者には求められます。こういった仕事はAIには難しいと考えています。「何を問題と思うか」「何をしたいのか」を考えるのは、人間の価値観や意思が関わることです。意思決定や合意形成は人間の仕事として残ると思います。ただし、一度まわり始めた事業の改善はAIが担うことになるでしょう。

■課題を整理する専門家に出番も
藤田

 新たなニーズを見い出したり、何が課題かを定義することはやはり人間の仕事ですね。

渡辺

 さらに言えば、AIに相談できるレベルにまで課題や悩みを引き出して整理することも人間に求められる仕事だといえるでしょう。解決したい課題や悩みが言葉にできるレベルにまで具体化されていない場合や、問題を問題として認識できていない場合はAIに相談しようにも相談できません。そういった状況を整理し、言葉にまとめたり、問題を問題として気づかせたりすることも人間の力が求められる仕事です。そのような能力を持った人材は今後も求められ続けると思います。同じ専門家でも、そのような段階から顧客に関わることができるかどうかが明暗を分けるのではないでしょうか。

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最終更新:10/6(木) 7:47

NIKKEI STYLE

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