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アサガオ種からドラッグ抽出 埼玉少女誘拐犯の「洗脳」手口

週刊文春 10/6(木) 12:01配信

 埼玉県朝霞市で2014年3月、当時中学1年の少女が行方不明になり、今年3月に保護された事件の初公判が9月27日、さいたま地裁で開かれた。検察側は、未成年者誘拐や監禁致傷などの罪に問われた寺内樺風(かぶ)被告(24)が、監禁していた少女を「洗脳」する目的でドラッグ入りの食事を与えていたと指摘。法廷では約2年間の監禁生活の実態が明らかになった。

 この日の公判で寺内被告は、未成年者誘拐罪を認める一方、監禁致傷罪については「誘拐当初を除き、2年間にわたって少女を監視したという意識はありません」と一部否認。「少女を家に置いて外出したり、アルバイトに出社したりしていた(そのため脱出は可能だった)」と語った。

 これに対し、検察側は冒頭陳述で、寺内被告が自宅に連れ込んだ少女に「君は家族から見放されている」などと繰り返し語ったり、「私は捨てられた、帰る場所はない」などと何度も筆記させたりしたと指摘。精神的に追い詰めた上に、洋室に閉じ込めた少女の様子を携帯電話で撮影していたとも明かした。

 また、誘拐してから約10日後には、違法合成麻薬のLSDと似た薬理作用があるとされるアサガオの種の成分を抽出し、食事に混ぜて少女に服用させていたとも主張。「(被告から出された)リンゴジュースを飲んだら、頭やお腹が痛くなった」と語った少女の供述内容も明かした。

「検察は、寺内被告が誘拐の2年前に当たる2012年に、『航空機免許取得のためカナダのバンクーバーに行った際、CIAの洗脳に関する本を読んで洗脳に興味を持った』と供述したことも明らかにしました。被告は『監視したという意識はない』としていますが、洗脳や外鍵の取り付けによって、監視しなくても逃げ出せないようにしていたわけで、不合理な弁解です」(司法担当記者)

 一方の弁護側は、寺内被告は精神疾患だったと主張。「中学でのいじめをきっかけに人間関係が築けなくなり、同じように社会から隔離された人を観察したいと考えた」と述べた。地裁は精神鑑定の実施を決めたが、初公判での被告の発言は理路整然としており、刑事責任能力が否定される可能性は低いとみられる。次回公判の期日は未定だが、被告人質問が行われる予定だ。


<週刊文春2016年10月13日号『THIS WEEK 社会』より>

「週刊文春」編集部

最終更新:10/6(木) 12:06

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