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タダで親を介護する方法 (井上晃宏 医師)

シェアーズカフェ・オンライン 10/6(木) 5:18配信

親が倒れて介護の負担が重くのしかかってきたらどうしよう……そんなふうに不安を感じている人は多いと思います。本校は高齢者施設で勤務経験も豊富な医師の井上晃宏氏による特別寄稿です。

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■タダで親を介護する方法その1
介護保険を利用する場合、施設利用料は、世帯所得で決まる。よって、要介護老人だけを別世帯とすると、介護費用は劇的に安くなる。別世帯だから、当然、介護費用は本人持ちであり、家族は一錢も金を払わなくていい。負担額合計も、世帯分離をすると、ぐっと安くなる。

以下の試算は、太田哲二「世帯分離で家計を守る」からの引用である。

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1)世帯分離前の世帯構成
佐藤幹男(世帯主、63歳、給与収入400万円)
妻佐藤芳子(56歳、給与収入100万円)
実父佐藤玄蔵(88歳、年金収入36万円)

2)世帯分離後の世帯構成
佐藤幹雄(世帯主)
妻佐藤芳子
佐藤玄蔵(世帯主)

3)施設負担金
特別養護老人ホームのユニット型個室を使った場合、
世帯分離前 月額14万3850円
世帯分離後 月額6万2510円
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効果はこれだけではない。介護保険料、健康保険料も安くなるのである。世帯分離をしたら扶養控除から外れて税金が高くなるのでは?と考える方がいるが、1年以上施設入居した場合は、世帯分離していなくても、扶養控除はなくなる。

■タダで親を介護する方法 その2
世帯を分離するのであれば、当然、家計が分離されている必要がある。ところが、自分で自分の介護費用を捻出できない老人世帯がある。その場合は、家族が仕送りする必要があるのではないか?と考えるのが一般的である。違うのである。

年金収入以外にも、何らかの資産(金融資産や家や土地)は持っているはずであり、それらを売却すれば、金は作れるはずである。老人の場合、認知症になっていて、自分で財産の管理ができない場合がある。その時は、家庭裁判所に成年後見人を選定してもらって、財産の処分をしてもらうことができる。それでも金が足らなくなったらどうするか?生活保護申請である。

直系血族と兄弟姉妹における相互扶助義務が民法で規定されているが、これは努力義務である。強制力はないから、扶養照会に対しては、「扶養できない」と回答しておけば、問題がない。

「親を生活保護にして普通の生活をしていいのか?」

いいのである。個人の倫理とか世間体が邪魔するかもしれないが、お金には替えられない。堂々と生活保護申請をすべきである。

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最終更新:10/6(木) 5:23

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