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親方もビックリ!浅香山部屋の看板犬シェビーとフォードのしつけ教室入門【前編】

@DIME 10/6(木) 8:12配信

以前も紹介した浅香山部屋の看板犬シェビーとフォード。その際、親方とおかみさんから、しつけに関して悩みがあると聞いておりました。そこで今回、連載でおなじみ、ヒューマン・ドッグトレーナー須崎大さんとともにお宅へ訪問し、カウンセリング&アドバイスをさせていただくことに。大さん曰く、ワンちゃんの性格には、日常生活が大きくかかわっており、その家での過ごし方やコミュニケーションの取り方が行動習慣に大きくかかわってくるそうです。というわけで、早速、須崎大さんのしつけ教室がスタートです!

ドッグトレーナー、須崎大さん(以下、大さん)と浅香山部屋へ。玄関に入るとシェビーとフォード、2匹のワンコが元気よく出迎えてくれました。

「元気がいいですねー」と笑顔の大さん。2匹の歓迎が一段落したところで、さっそくお悩みのカウンセリングからスタートです。

噛み癖の原因は、それぞれのワンちゃんによって違う!
事前のアンケート取材によると、2匹とも噛み癖があるのが悩みだそう。2匹が大好きな遊び相手である、おかみさんのお父さんにも噛みついたことがあり、そのときは病院で治療するほどの深い傷になってしまったそう。

「散歩中に、撫でようと近寄ってきてくれた子供たちに噛みついてしまったら……と思うと心配で、散歩も減ってしまいがちです。散歩に行っていても子供たちに『噛むと危ないから』と触らせないようにするのも辛いです」(おかみさん)

「シェビーは、噛んだあとに、悪いことをしたとわかっているようでしょんぼりした顔をしたり、噛んだ部分をなめたりするのですが、興奮すると噛んでしまうのを止められないようです」(親方)

大さん曰く、同じ「噛む」という行為でも、噛む場所や、噛み方、噛むときのシチュエーションなどによって、考えられる原因はさまざま。対処の仕方もさまざまだという。だからこそ、日常生活での犬と人間の関係性を詳しく知ることで、原因や対処法を変えていく必要があるそう。

大さんが二人に聞いたのは、どこを噛むかということ。すると、2匹共に「手」が多いことが判明。

大さんの「幼少期の頃、褒めたり叱ったりしたときに手を使ったことはありませんか?」という問いに対して「シェビーを家族に迎えたときは、犬のしつけ方がまったくわからず、手を使ったこともありました。他にも丸めた新聞紙やスリッパなどを使ったこともあったので、今もシェビーは新聞紙やスリッパが嫌いなんです」(おかみさん)

「手に対してイヤなイメージを持っているワンちゃんは、噛んでしまった人をワンちゃんが尊敬しているかどうかにかかわらず、反射的に護衛のために手を噛んでしまうことがあるんです。経験値にもよりますが、度合いによっては今からでも、そのイメージを払拭することは可能です」(大さん)

それに対し、フォードの場合はおもちゃなどに対しての独占欲が強く、フォードの近くにある、おもちゃやリードを取ろうとしただけでも手を噛もうとしたりうなったりすることが多いのだそう。

ここで、大さんが注目したのは、フォードの座っている位置。親方を背にして座っています。「親方、ちょっと動いてみてください」と、親方に立ってもらうと、フォードはとたんにおかみさんの前に移動しました。]

「フォードは、負けん気が強いけど本当は怖がりなんです。今も、私が目を合わしたり手を出したりしなくても、ずっと警戒してウゥーッと唸っています。だから、いつも自分を守ってくれる親方やおかみさんが背後にいるような座り位置を探しているんですね。そして、フォードはとても好奇心が旺盛。いつも楽しいことを探しています。これはとてもいいことです。自分の周りにあるおもちゃやリードを自分以外が触ろうとするのは、ゲーム開始の合図だと思っているので、その手に対して飛びかかったり噛みついたりする癖がついてしまったんだと考えられます。この癖も治す方法はあります」(大さん)

●噛み癖を直すには『待て』が有効

大さんは、親方の膝元を片時も離れないでいるフォードを見て、親方に、シェビーを抱くように指示を出しました。すると、すぐにフォードは唸り始めます。

「フォードは“なんで僕がいるのに、シェビーを抱っこしているの?”と焼きもちを焼いて唸っているんですね。そんなときは、親方が“待て”と指示を出してください。フォードは、NOといって素直に聞く性格ではないんです。“だってさ……”と言い返すタイプ。6か月で去勢しているとのことなので、人間で言うと、小学1年生くらいだから、甘えん坊で当然なんです。だからこそ、『今、シェビーを抱いている時間が好きだから、フォードはそこで待ってなさい』とわからせることが大切です」(大さん)

『待て』を覚えさせる訓練として大さんが教えてくれたのは、『待て』と言ってから、何秒か目を見て、自制させること。それができたら、おやつをあげてたくさん褒めてあげるということ。3秒出来たら次は5秒というように、少しずつ時間を長くしていくことが大切だそうです。

「確かに『待て』という言葉は、フォードは聞くんです。おやつやご飯を出したときに『待て』というと、一瞬動きを止めて、私を見るんですね。ただ、そのときを逃してしまうと、またすぐに動き出してしまうことがよくあります」(親方)

『待て』という言葉は、本来、OKが出るまで待つという継続的なことを差しますが、今のフォードは、『待て』と言われた瞬間にストップすることはできても、それを持続させることはできないんです。それを持続するということを教えることが必要です。噛みつくのも、手が怖いという思いで反射的に動いてしまったり、興奮して噛んでしまいそうになったときにも有効です」(大さん)

●おやつを出すときにもコツがあるそう。

「おやつを握ったこぶしは、手の平が上になるようにします。というのも、犬は目で物を確認するのではなく、匂いで嗅ぎわけます。手で握ったことで人肌に暖められたおやつは、より強い匂いを発します。その匂いを指のすき間から嗅がせて『おやつがあるよ』と促すことが大切です。そして、おやつの匂いを嗅ごうとしている最中は、犬は吠えたり唸ったりできないんです。そして、そのご褒美としておやつをあげることで、今までは唸っていてもおやつがもらえたのに、唸ったり吠えたりするのをやめたらご褒美がもらえるという風に、犬の中でルールが変わってくるんですね」(大さん)

●スイッチのON/OFFは飼い主が教えてあげましょう

「地方巡業に行くときは1か月程度、家にいないので、帰ってくるたびに、犬たちのわがままがひどくなっている気がするんです(笑)」と親方も心配そう。

おかみさんは、こんなエピソードも話してくれました。

「フォードが小さい頃は、人に飛びかかっていく様子が可愛くて、弟子たちに向かって『行け!』と指示を出すと、本当に飛びかかっていくこともありましたね。これからは反省します」(おかみさん)

「スリッパで叩いたりするのも、ダメなんじゃないかと思っていたのですが『躾』と言われればそれもありなのかもと思ってしまったことも。自分の言ってたことが正しいとわかって色々腑に落ちた部分があります」(親方)

「モノをとっったときに飛びついて来たら、わざと必要以上に手を動かしたり、目が合ってチッと舌打ちすると、“ウゥッ!”と唸ったり、反応を楽しんでいたときもあったんです。それが間違っていたんですね」(おかみさん)

おかみさんの可愛すぎてつい、かまってしまう気持ち、よくわかります。

「フォードは、おかみさんが反応してくれるのが嬉しくて、遊びたいモードのスイッチをオンにしてしまうんです。フォードはいつも、遊びたいモードのスイッチが入れっぱなしの状態。舌打ちをしたときに“ウゥッ”と唸ったら『ストップ』を出して、止めてスイッチをオフしてあげればいいんです。スイッチをオフしてあげる。唸るのをやめたら褒めるということを習慣化していくことが大切です。今はスイッチをオンにすることばかりが習慣化していて、オンにするのが楽しい状態になってしまっているんです」(大さん)

親方が抱いているときに、親方が用事があって、おかみさんが抱っこしようと手を伸ばしたときも、フォードはおかみさんに向かって唸ることもあるそう。

「犬はルールがあることで落ち着く動物。そこにルールがないと不安になり、自分の中で色々なルールを決めていきますフォードにとって、親方は安全な存在。そこから離れるということは、怖いことだと思っているんです。なので、その場合は、親方が『おかみさんのところに行きなさい』と指示を出して、それを受け入れたら渡すなど、決め事を作ってあげましょう」(大さん)

「抱っこしている俺に対しても、ちょっと手を動かすだけで噛みつくことも。今は甘噛みも覚えたので、怪我をするほどではないにしろこれも治したいと思っています」(親方)

「自分の味方にも感情が制御できない状態になっているということですね。今、フォードの中では、噛んでもいいと思っているんです。それがマイルールになってしまっている。噛むようなことがあったら、親方はフォードを床に置いて立ち去りましょう。そうすると“噛んだら、親方が離れてしまう”ということを学習し噛むのをやめるはず。犬にとっては、大好きな人と距離を隔てること自体が『罰』と映るんです」(大さん)

大切なのは、「彼らが何が好きなのか、どんな時に噛むのかを細かく観察するということ」と大さん。「そうすることで、彼らの思っていることが理解でき、犬の思い込みでできたルールではなく新しいルールを作ることができるようになります」(大さん)

●あなたのワンコはどこで寝ていますか?

次に大さんが2人に聞いたのは、2匹と一緒に寝るときの位置。親方が大好きなシェビーは枕元にいたあと、親方が寝るのを確認すると、足元に移動して寝ているそう。それに対し、フォードは、寝るときも起きたときもずっと、おかみさんの枕元にいるそう。

「枕元にいるのはいいのですが、寝ている最中に、枕の下に手を入れたりすると、それに対してフォードが噛みついてきたこともありました」(おかみさん)

「犬は飼い主と主従関係を結んでいます。ベッドで一緒に寝ること自体をNGとする考え方もありますが、適切な主従関係では、飼い主の足元で寝るというのが正しい状態。だから、シェビーは親方を飼い主として正しく認識しているということですね。それに対しフォードが枕元にずっといるというのは、ちょっと問題ですね。フォードは常に楽しいことを探しているので、おかみさんが手を動かしたのもゲームの一環と考えてしまっているのかもしれません。これは、正しく主従関係を認識させることで、解決することができます」(大さん)

●おもちゃをカジカジしているのはストレス?

シェビーは親方とおかみさんの間で通称『昆布巻き』と呼ばれるおもちゃが大好き。おもちゃで遊んでいる姿はほほえましいものですが、おかみさんはちょっと心配なこともあるそう。

「親方が巡業に行ってしまったり、何かあると昆布巻きをカジカジしているんです。それが、ストレスが溜まっているときにストレス発散のためにしているんじゃないかと心配です」(おかみさん)

「でも、俺が帰ってきたときも、カジカジしに行くよね」(親方)

それに対して大さんは「ストレスが溜まった時のサインは様々です。例えば、舌をペロッと出して舐めたりするのも一例です。こんなに楽しそうな顔をしているのに、そんなにストレスが溜まっているとは考えられないので、安心してください。大好きなおもちゃで遊んでいるのは、見せびらかしているんです。みんなが、自分を見てくれるから喜んでいるんです。この癖は、全然直す必要はなく『かっこいいね~』など、むしろ、いっぱい声をかけて褒めてあげてください」

●実は撫で方にもコツがあるんです!

親方とおかみさんのワンちゃんへの接し方を見ていた、大さんが、気が付いたことがありました。

「おかみさんのワシャワシャッとした撫で方は、犬は興奮してしまうんです。それに対して親方の毛並みに沿って優しく撫でる方法は、犬が安心する撫で方。撫で方一つでも犬の気持ちのスイッチが入ってしまうので、犬をおだやかにさせる撫で方を意識しましょう」(大さん)

「人でも、赤ちゃんなんかは優しく撫でられると、スッと寝たりするし、安心すると思うんです。あとは、声のトーンでも高い声だと興奮してしまうけど、低い声だと話がスッと頭に入ったりする。撫で方や話しかけるときの声のトーンにも気を使っています」(親方)

さすが、たくさんの弟子を育てている親方だけに、犬にもその扱い方が生かされているようです。

「参考にしてほしいのは、競馬中継で、走り終わった馬をジョッキーが撫でている様子。首筋から胴へと毛の流れに沿って優しく撫でながら声をかけていますよね。それが、動物を安心させながら褒めるコツです。おかみさんのワシャワシャッとした撫で方は、興奮させたいときに使うなど使い分けができればより有効です」(大さん)

後編へ続く


取材・文/佐藤玲美

@DIME編集部

最終更新:10/6(木) 8:12

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