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旅人マリーシャの世界一周紀行:第119回「輪廻転生はある? タイの人々が格差社会をあまり気にしないワケ」

週プレNEWS 10/6(木) 15:00配信

サワディカー! さて、今回は旅モデルのお仕事でバンコクに来ています。

撮影内容は、現地に住むタイ人女学生たちに街を案内してもらい、一緒に旅をするというストーリー。

【写真】“旅モデル”マリーシャの撮影風景

日本に留学経験があり、日本語ペラペラのトーイと、来年から日本の学習院大学に通うという乙女チックなピュー。ふたりとも、礼儀正しく育ちの良さそうな女のコたちだ。



彼女たちはとても優しくて、一生懸命もてなしてくれようとする。

線路上にお店がせり出していることで有名なメークロン市場では、「欲しい?」「食べたい?」と何度も聞いてくれた。毎度「大丈夫」と遠慮しつつも、時折はごちそうになってしまった。

平均月収が1万円というこの国で女学生におごってもらうのは申し訳ない気もしたけど、その気持ちが素直に嬉しかったし、もしかしてお嬢様なのかなとも思った。



そして、大量のみやげ物や食材を乗せた小舟でにぎわう水上マーケットへ。そこにあったお祭りゲームの屋台に目が止まった。それは空中に設(もう)けられたイスに座る女のコにボールをぶつけて、バケツに落とすゲーム。

「マリーシャさん、これやりましょうか」

本来、イスに座っているのは女性店員さんだけれど、監督の提案で私が座ることに(笑)。すると文科系キャラだと思っていたトーイとピューが、ここぞとばかりに抜群のコントロールを見せ、見事命中!

私はバケツに落っこちて、発泡スチロールのツブツブまみれに。それを見てふたりもおなかを抱えて大笑いしている。ピュアないいコたちだな~と好感を持った。

しかし翌日の撮影では、「今日はひとり来れなくなっちゃった!」と普通にドタキャンするあたりは、やっぱりタイ人っぽいのかな(笑)。日本とは違うルーズさにスタッフ一同、一瞬、目がテンになりつつも撮影は順調に進んだ。





ムエタイ教室では久々の運動に気持ち良い汗を流し、夜はスカイバーで夜景を見下ろす。

最終日のアユタヤでは、クリーニングしたてのようなパリっと白シャツのボーイッシュな女学生・ヨシが加わり、象に乗ったり遺跡を廻ったりと楽しい撮影はあっという間に終わった。





ローカル列車に揺られる帰り道、車窓にはのどかな田舎の風景が続き、バンコクが近づくと建物や寺が見えてきた。

その途中、裸のお父さんや洗面器に水を運ぶような様子の子供たち。トタン屋根の簡素な家で暮らす家族を見て、タイ女学生たちは少し顔を歪(ゆが)ませた。

「あの人たちは…?」と私が聞くと、「危ないから行かないように」と言って口をつぐんでしまったが、要するにスラム街だったのだ。



タイにはこのようなスラム街も多く存在する。旅に夢中でつい忘れていたけれど、この景色を見て、改めてこの国が階級社会かつ格差社会であることを思い出した。

それについて、私は以前、フルムーンパーティーで出会った英語のできるタイ人の旅友たちに聞いてみた。すると…、

「昔は厳しくて、王様、王族、貴族、平民、奴隷に分かれていたんだよ。お金がなかったり借金を抱えた人は奴隷になったり、自分の娘や息子を売ったりしていたんだ。今はだいぶ変わったけど、王族の名を受け継いでいる人たちへの特別扱いはあるよ。あ、それからコレ知ってる? タイの映画館では今でも上映前に国王賛歌のために起立しなければいけないんだよ~」

えええ? 映画館で起立?

この独特なルールにはビックリしたけど、実はこれ映画館だけの話ではない。毎朝8時と18時になると、公共施設や公園などでは国歌が流れ人々は静止し直立不動で敬意を示すんだそう!

私、タイには結構行ってるはずだけど、外国人旅行者に囲まれていたからかな? 全然気付かなかった…。この姿勢をとらないと「不敬罪」となることもあるんだっていうから、外国人とはいえ気を付けなければ。

確かにタイは空港から大きな国王の写真がいっぱいなのが印象的だったけど、こんなにも敬われているんですね。



そして、階級だけでなく貧富の格差も激しい。

現在、タイの平均月収は約1万バーツほど(約3万円)、最低賃金は1日300バーツ(約900円)だが、過去のデータでは収入上位20%の世帯の平均収入と最下位20%の差は12.8倍も開いていた。

「富裕層はお金持ちなまま、貧困層はそこから抜け出せない」

格差が固定されていた理由には今まで相続税がなかったことも関係するが、今年からついに富裕層への相続税の課税が開始された。これによりどんな変化が現れるのか気になるところ。





一方で彼らはこんなことも言っていた。

「富裕層と貧困層には大きなギャップがあると思うけど、人々はあんまり気にしてないかな。みんながお互いを平等に扱っていけばいいなと思ってる」

しかしながら、身分が違う者同士は、表面上ではにこやかに接していても一緒に遊びにいったり親しく付き合うことはほとんどないらしい。

なのに、タイ国民がその階級や格差を「あまり気にしていない」理由は、仏教の輪廻転生の思想からなるものだそう。現世で起きていることは全て前世の行ないによるもので、善行を積み重ねれば来世で幸せに生まれ変わると信じられている。

そんな理由からか、貧困層の人々は現世で出世を目指そうというよりは、善行やタンブン(徳を積む)をして来世に期待という考えなのだそう。



ホテルに戻ると、部屋に見慣れないコンビニ袋いっぱいのタイのお菓子とカップ麺が。ホテルの清掃員の忘れ物かと思ったら、なにやらヨシの差し入れだったみたい。心に染みる。

「コプンカー(ありがとう)! 来世もきっと素敵な人生が待ってるよ!」

しかし、こうして考えるとやっぱり私たち日本人が知り合うタイのコたちは、富裕層または中間層なんだろうな~などと考えながら、ヨシのくれたカップ麺をすするのでした。

ズズズ。か、辛ウマ~!



【This week’s BLUE】
ウィークエンドマーケットで突然現れた『あまちゃん』の番組宣伝。タイで絶賛放映中。じぇじぇじぇ!


●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック!  Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

最終更新:10/6(木) 15:00

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