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日銀「フィンテック」長は“岩下の新生姜”御曹司

デイリー新潮 10/6(木) 5:57配信

 金融とITの融合を意味する造語「フィンテック」。従来の金融サービスを一変させる“大革命”との呼び声も高く、先進各国では喫緊の重要課題になっている。我が国でも金融庁、メガバンク、そして日本銀行などが一体となって取り組んでいるが、その旗振り役が老舗食品メーカーの御曹司なのだという。

 東京・日本橋本石町にある日銀本店で金融政策決定会合が開催された9月20、21日の両日、そこから1キロほど離れた丸ビルホールで金融庁と日経新聞社主催の「FinSum フィンテック・サミット」が開催されていた。席上、挨拶に立った麻生太郎財務相兼金融担当相は、

「スマートフォン1台が銀行の支店とほとんど変わらない時代になり、銀行の支店はそのうちなくなる」

 この言葉に苦笑するメガバンク幹部たちをヨソに、満面の笑みを浮かべていたのは、日銀決済機構局の岩下直行審議役(55)だった。

「その岩下さんこそが、日銀の初代フィンテックセンター長です」

 こう解説するのは、全国紙の日銀担当記者だ。

「岩下さんは高校、大学と慶応で経済が専攻でしたが、“超”が付くほどのIT、パソコンオタクなのです。7年前の下関支店長時代にはキャッシュカード偽造防止に有効な暗号技術の開発が認められて、日銀では初めて経産省の『商務情報政策局長賞』を受賞した異能の日銀マン。黒田総裁からも“頼りになる男”と評価されて、可愛がられています」

 岩下審議役がパソコンに興味を持ち始めたのは中学時代というが、当時はかなり高額だったのではないか。

「岩下さんの実家は、創業明治32年の“岩下の新生姜”で知られる岩下食品。彼はお坊ちゃまですから、中学生でも高価なパソコンを買ってもらえたのでしょう」(同)

■総裁不要論

 栃木県栃木市に本社を置く岩下食品は従業員210人で、売上高約70億円。生姜などの酢漬分野で国内シェア3分の1を占め、CMで社名を耳にしたことがある人も少なくないはずだ。目下、岩下審議役より5歳年下で家業を継ぐ、実弟の和了(かずのり)社長は業界紙のインタビューで社長になった経緯をこう明かしている。

〈私が高三のころ、兄が「エコノミストになる。家業を継がない」と宣言しまして、それ以来私は「自分以外に会社を継ぐ人間はいない」と強く意識していました〉

 長男でありながら家業を弟に押し付け、エコノミストになる夢を半ば実現した岩下審議役だが、入行直後からその異能ぶりを発揮していたという。日銀OBによれば、

「彼は新人時代、“将来的には人工知能で金融政策を決定できるのではないか”と、総裁や金融政策決定会合が不要とも取れる発言をして、上司からこっぴどく怒られていました」

 また、異能の日銀マンは、20年前にビットコインとほぼ同じ技術を開発して特許を申請している。

「当時、彼は“いずれ紙のお金は使われなくなる時代が来る”といっていました。上司や同僚は、“あいつの頭は大丈夫か”と心配したほどですが、今となっては彼の先見の明に驚くばかりです」(同)

 岩下審議役は“先進国のなかで、日銀はフィンテックへの取り組みが進んでいる”と豪語しているが、

「昨年のフィンテック関連企業への投資額は、世界中で1兆9700億円。その6割が米国企業で、日本企業は米国のわずか0・5%の65億円に過ぎない。投資を拡大するために国内のフィンテック関連企業を育成し、金融機関に積極的な投資を促す必要があるでしょう」(先の記者)

 その辺りは重々ご承知で“ショウガ”、頼みますぞ、旗振り役の岩下審議役ドノ。

「週刊新潮」2016年10月6日号 掲載

新潮社

最終更新:10/6(木) 5:57

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