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「豊洲」売却で大儲け…東京ガス“支配一族”の系図

デイリー新潮 10/6(木) 9:01配信

〈十六夜はわづかに闇の初哉〉と芭蕉は詠むが、満月同様に自身の権勢は陰らないと豪語したのは藤原道長。その、空前にして絶後と思われた摂関政治を現代に蘇らせた一族がいる。美智子皇后、そして4人の首相経験者と縁戚を結び、東京ガスを支配した安西家の華麗すぎる系図をお披露目する。

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 現在の東京ガスは、1876年に開設された「東京府瓦斯局」が85年、渋沢栄一らに払い下げられたことに端を発している。2度の大戦を経て高度成長期只中の67年11月、13代目社長に就任したのが安西浩。東京ガス中興の祖、法皇、はたまた老害とさまざまに称される人物なのだ。浩の弟・正夫は昭和電工会長を長く務め、この兄弟を中心に安西家は、「日本最大の閨閥」を形成していく。

 さる経営評論家によると、

「弟・正夫の長男・孝之が美智子さまの妹・恵美子さんと63年に結婚。これで皇室と繋がりが出来たのです」

 更に、浩の次男で後に東京ガス社長になる邦夫は今上天皇とはご学友の間柄。

 同じく机を並べたジャーナリストの橋本明氏は、

「彼は寡黙にして控えめな人。背が高く、皆の後ろでいつもニコニコしていました。学習院初等科のクラス会の『万年幹事』で、陛下からの信頼も厚かった」

 と述懐するのだ。

 むろん、安西家は政界にもネットワークを拡大していく。具体的には、正夫の妻の妹は三木武夫夫人であり、長女・千代を浜口雄幸元首相の孫へ嫁がせている。浩はと言うと、娘・和子が佐藤栄作の次男で元衆議院議員の佐藤信二と結婚。したがって、栄作の兄・岸信介とも係累となり、結果、4人の首相関係者と縁戚を結ぶに至ったのである。

「経済界」編集局長の関慎夫氏は、

「安西家とはすなわち『戦後の新興成金』。もともと浩と正夫は千葉の漁村の出です。自分たちに社会的バックボーンが無いことを、皇室や政界などエスタブリッシュメントと関係を持つことで補おうとしたのです」

 とし、こう解説する。

「こうした一族は他にもありますが、ガス会社は地域独占の公共事業で他社との競争がない。だから業績低下の心配をせずに閨閥づくりに勤しめた。安西家ほど徹底した関係を作り上げた一族を他に知りません」

 浩は72年の会長就任後も東京ガスに君臨。81年に義弟・渡辺宏、89年には次男・邦夫を社長に据えたことで、「安西一族による東京ガスの私物化」と批判を受けたこともある。

「普通の民間企業ならまだしも、国の許認可が必要なガス事業。しかもオーナーでも筆頭株主でもないのに世襲をしたのだから、“やり過ぎだ”と言われても仕方がなかった。とはいえ、その間に経営が悪化したわけではありませんが」(同)

 上に挙げた図は、政財界および皇族に張り巡らされたネットワークの一部でしかない。「月の満ち欠け」は今もなお辞書にないと問わず語りに語るようである。

「特集 どんどん湧き出る『アルカリ地下水』と疑問点 イースター島より不思議な豊洲アイランド! バカな話が多すぎる『豊洲のパンドラ』10の疑問」より

「週刊新潮」2016年10月6日号 掲載

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最終更新:10/6(木) 9:01

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