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2500年前の墓から完全な大麻草13本を発見

ナショナル ジオグラフィック日本版 10/7(金) 7:20配信

中国の古代都市国家「車師」では大麻が使われていた

 中国北西部の古代墓地から、13本の大麻草が原形をほぼ留めた状態で出土した。考古学者らは、古代ユーラシア文化において大麻が儀式や医療目的でどのように用いられていたかを理解する上で、貴重な発見であるとしている。

古代大麻の拡大写真

 今回の発掘についての論文は、植物に関する科学誌「Economic Botany」に発表された。それによると、中国科学院大学の考古学者蒋洪恩氏の研究チームは、中国のトルファン盆地で白人の特徴を持つ35歳前後の成人男性の墓を発見した。男性の体は木の寝台に横たえられ、頭の下にはアシで作られた枕が置かれていた。

 胸の上には、それぞれの長さが90センチほどの大麻草が13本、体に対して斜めに置かれていた。根は脚に向けて骨盤の下あたりに置かれ、反対側の先端部分は顎のすぐ下から顔の左側まで伸びていた。

 墓からの出土品を放射線炭素年代測定にかけたところ、埋葬されたのは2400~2800年前と推定された。

 蒋氏によると、近年、ユーラシア大陸の草原地帯で数千年前に大麻が広く使用されていたことを示す考古学的証拠が次々に見つかっており、今回の発見もそのひとつに加えられるという。

貴重な発見

 大麻が見つかったのは、トルファンの加依墓地で発掘された240の墓のひとつで、2000~3000年前にこの地を支配していた車師(または姑師)文化に関連があると見られている。当時、車師王国は砂漠の中のオアシス都市国家として栄え、シルクロードの重要な中継地点となっていた。

 大麻は、一部分だけなら過去にもトルファンの別の埋葬地で発見されている。10年近く前に、加依墓地にほど近い洋海墓地で、同時代のものと見られる大麻の種子と粉末の葉が約900グラム見つかった。

 トルファンの西、シベリア南部でもスキタイ人の埋葬地で紀元前1000年頃の大麻の種子が出土した。ここに埋葬されていた女性のひとりは乳がんで死亡したと見られ、痛みを和らげるために大麻を使っていたのではないかと考古学者は考えている。

 しかし、大麻草が完全な形で発見されたのは今回が初めて。また、遺体を覆う埋葬布のように大麻が使用された例も初めてだという。

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最終更新:10/7(金) 7:20

ナショナル ジオグラフィック日本版

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