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“セブン&アイの新帝王” カリスマの遺産にメス、H2Oと提携で不敵な笑み

NIKKEI STYLE 10/7(金) 10:40配信

「鈴木前会長には報告していません」

 セブン&アイ・ホールディングスが6日、2019年度までの中期経営計画を発表した。百貨店・総合スーパー(GMS)事業が不振に陥るなか、井阪隆一社長が断行する改革の目玉はエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)との資本業務提携だ。そごう神戸店(神戸市)など関西の3店舗をH2Oに譲る。カリスマ経営者と呼ばれた前会長の鈴木敏文氏がグループに取り込んだ百貨店事業を大幅縮小する。新帝王はカリスマの負の遺産にメスを入れた。

 「鈴木前会長には報告していません」。6日、東京都内で記者会見した井阪氏は、新たな中期経営計画の内容について鈴木氏には話していないと淡々とした表情で語った。鈴木氏は2005年にそごう・西武を買収、百貨店事業を取り込み、コンビニエンスストア、GMSなどからなる国内最大級の小売り帝国を築いた。しかし、井阪氏は百貨店やスーパー関連の減損処理を実施、17年2月の連結決算の純利益は前期比50%減の800億円に落ち込む。

■業績不振でも不敵な笑み

 今期のセブン&アイの連結業績予想は芳しくない。営業収益は前期比4.6%減の5兆7700億円、営業利益は0.2%増の3530億円。今年5月に社長に就任した1年目の社長の通信簿としては決して合格点とは言えない。しかし、会見時の井阪氏の表情に暗さはなかった。むしろ不敵な笑みさへ垣間見られた。

 井阪社長の誕生の経緯はよく知られたとおりだ。4月に鈴木氏が突如セブン―イレブン・ジャパン社長だった井阪氏を退任させる人事案を取締役会にかけた。それに対して社外取締役の伊藤邦雄氏(一橋大学大学院特任教授)らは「井阪氏は業績を上げている」として同案を否決。鈴木氏は会長職を辞し、セブン&アイの経営から離れた。取締役会は新社長に井阪氏を選んだ。いわば現代の下克上、「セブンの変」が起こったのだ。

 井阪氏は「経営体制が25年ぶりに変わった。社長に就任して100日、新しいグループのあり方について考え続け、変えるべきモノは変えようと決意した」という。7月にH2Oの経営陣に接触、提携を打診した。大阪・梅田を本拠地として阪急百貨店や阪神百貨店を展開するH2Oにそごう神戸店など3店舗の譲渡を申し出た。

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最終更新:10/7(金) 10:40

NIKKEI STYLE

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