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主権者教育の補助教材活用―模擬選挙を通じて大切にしたい政策を考える機会に

政治山 10/7(金) 17:30配信

 18歳選挙権の導入を受けて、模擬選挙に代表される主権者教育へと注目が集まっています。模擬選挙が生徒たちの政治に対する意識のハードルを下げる機会となるのと同時に積極的な市民として主体的に政治にかかわるためのきっかけとなるように、授業ですぐに使える補助教材(ワーク集)を紹介していきます。

 なお、本連載で取り上げるワーク以外にも、早稲田大学マニフェスト研究所が編者となって、模擬選挙の事例及び補助教材、海外の主権者教育を紹介する書籍を刊行しています。ぜひ、ご参照ください。

選挙への臨み方を考えよう

 本カテゴリーに属するワークでは、政治参加の機会として選挙を活用していくための“ふるまい方”を考えていきます。今回紹介するワークでは、生徒たちが自らの重視している政策分野を同じ基準で可視化、議論することを通して、それぞれの態度や価値観があることを学ぶ「注力分野一覧表を作ってみよう」をご紹介します。

注力分野一覧表を作ってみよう

 「え、そんな取り組みも市役所はしているんだ」
 「選択肢の『社会資本整備』ってなんだろう」

 模擬選挙などに取り組む生徒たちの声を聞いていると、時々こんな言葉を耳にします。選挙などを通じた政治への参加を考えたとき、私たちは自分自身の知っている範囲で物事を捉え、判断をしていくことになります。時に、社会的な経験の限られている若い世代にとっては、「自分」以外の「誰か」の問題や課題の存在自体を知らず、想像することもできずに、ごく限られた範囲の中で選択を迫られてしまうことも、しばしば生じています。

 一例を挙げてみましょう。都市部に暮らす子育て世代にとって喫緊の課題である「待機児童問題」。統計上、待機児童が存在しないとされている都道府県の数は9団体と報告されています。(出所:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(平成28年4月1日)」)都市部では報じられることの多い「待機児童問題」ですが、地域によって生徒たちの受け止め方や、当事者性に違いが生じてくることがあるのではないでしょうか。同じことは、米軍基地やTPPの賛否についても言えるかもしれません。

 「おじいちゃんおばあちゃんのことを考えると、社会保障政策を重視してほしい。でも、私たちが働く環境も整えてもらわないと。どれも大事だから頑張ってほしい」

 生徒たちから、こんな意見を聞くこともあります。

 マニフェストが導入されたときに「『あれもこれも』から『あれかこれか』の選択へ」と提唱されたことに象徴されるように、どの社会問題の解決に取り組んでいくのかは、選挙などを含んだ政治過程を通して決定されていきます。私たちは選挙などの機会を使ってその選択に参加していくことになりますが、問題解決のために費やすことのできる資源が有限であり、私たちの行動を制約していることも知っておかなければならない大切な事実です。

 本ワークでは、主要な政策分野について網羅的に比較・検討する機会を作り、自身の中での相対的な順位づけ、可視化を行います。可視化を進める中で、社会の問題を解決していくための資源には限りがあることを学び、他者との対話を通して政策分野への態度やその前提となる価値観が多様であること、お互いの考えを尊重しあうことの重要性を考えていきます。

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最終更新:10/7(金) 17:30

政治山

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北朝鮮からの脱出
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