ここから本文です

水族館員がエイに刺されて死亡、シンガポール

ナショナル ジオグラフィック日本版 10/7(金) 18:29配信

過去にも同様の事故、胸を刺されると危険

 10月5日、シンガポールの水族館、アンダーウォーター・ワールド・シンガポールは、アカエイに胸を刺された水族館員が死亡したと発表した。

動物大図鑑 アカエイ

 事故が起きた4日、62歳のダイバー長フィリップ・チェン氏はエイを別の水族館に移すための準備を行っていた。チェン氏は病院へ運ばれたが、そこで死亡が確認された。水族館のオーナーであるホー・パー・コーポレーションは、「たいへん痛ましい事件でした」という声明を出している。

 1991年にオープンしたこの水族館は2016年6月に閉館し、現在は必要最低限の人員で動物たちを他の飼育施設に移す作業を行っている。チェン氏の事故の調査を行う間は、移送作業が中断される。

映像に残された事故

 今回の事故から思い起こされるのは、オーストラリア人の自然保護活動家で「クロコダイル・ハンター」として知られていたスティーブ・アーウィン氏の死。同氏は、2006年にグレート・バリア・リーフで何度かアカエイに刺されたのち、死亡した。

 アーウィン氏もエイの毒針に胸を刺されたが、調査にあたった当局は珍しい不慮の事故と述べた。バット・リーフで起きたこの事件の様子は映像として記録に残されている。アーウィン氏の友人でディレクター兼プロデューサーのジョン・ステイントン氏は、当時の記者会見で次のように話している。

「スティーブがエイの上に来たとき、エイが尾を伸ばして、ここ(胸)を刺しました。スティーブは尾を引き抜きましたが、その後すぐに息を引き取りました。カメラマンも撮影を終えざるをえませんでした」

 科学者によれば、このような事故は非常に珍しい。人に対する警戒心が強いアカエイは通常、よほどのことがないかぎり毒針がついた尾を使うことはない。事故が起きるときも、相手を狙って攻撃を仕掛けるというよりも、反射的な防衛行動の結果であることが多い。

 アカエイは世界中の浅い海に広く分布している。専門家は、水に入るときは海底に潜んでいるかもしれないエイを踏んだり驚かせたりすることがないよう気をつけてほしいと呼びかけている。

文=Brian Clark Howard/訳=鈴木和博

最終更新:10/7(金) 18:29

ナショナル ジオグラフィック日本版

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ナショナル ジオグラフィック日本版の前後の記事

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。