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なんと同い年だった!伊藤若冲と与謝蕪村の生誕300年を祝う「若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」展

サライ.jp 10/7(金) 23:20配信

箱根・小涌谷にある岡田美術館で、江戸時代の絵師・伊藤若冲と与謝蕪村の生誕300年を祝う展覧会「若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」が開かれています(~12月18日まで)。有名なこの2人のアーティスト、じつは同い年だったのですね。

同館が収蔵する豊富な江戸絵画を一度に見られる貴重な展覧会ですが、なんといっても注目したいのは、伊藤若冲の『孔雀鳳凰図』です。1933年の記録以降、行方不明で、じつに83年ぶりに再発見されました。

縦140cmもある大きな画面は、今年春に上野で開催された『若冲展』で注目された『動植綵絵』30幅とも共通するフォーマット。濃密で繊細な色彩などからも、近い時期に描かれたと考えられる重要な作品です。

一方、「菜の花や月は東に日は西に」の句で俳人としてお馴染みの与謝蕪村は、実は、国宝に指定される作品も生み出した、美術史上に名を残す絵の名手でもあります。

蕪村は若冲とは異なり、文人画に傾倒しました。文人画は、本来、中国の教養ある知識人(=文人)が趣味として描いた絵で、主に山水や中国の故事や漢詩などを主題とします。

文人画に関して、少しとっつきにくい印象を持っている方も多いかもしれません。主任学芸員の小林優子さんに、文人画を楽しむポイントを伺いました。

「文人画には、明るく澄んだ色彩、やわらかな墨色の、すがすがしい印象の作品が多くあります。見ていると穏やかな気分になる、癒し系の作品と言ってもよいでしょうか。まずはこの“すがすがしさ、穏やかな気持ちよさ”に浸っていただきたいと思います」

色の美しさを堪能したら、次は描かれている内容に注目です。

「文人画では精神性の高さが貴ばれます。人間は俗なるものですが、心のどこかに脱俗、高潔さを求めている部分があると思います。文人画に広がる、心を澄ませてくれるような、デリケートでピュアな感覚を味わってください。

また、文人画では詩情が貴ばれ、漢詩のテーマがよく描かれます。文人画の気分に慣れてきたら、詩の内容を知って、古典の奥深い世界に触れるのも楽しいことと思います」

若冲を見るだけでも十分楽しめますが、せっかくの機会ですから、文人画の世界に一歩踏み出してみませんか? まずは、気分に慣れることから始めてみましょう。

【―生誕300年を祝う―若冲と蕪村 江戸時代の画家たち】
■会期/2016年9月5日(月)~12月18日(日)
■会場/岡田美術館
■住所/神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
■電話番号/0460・87・3931
■料金/一般・大学生2800円 小中高生1800円
■団体割引(10名以上)あり。障害者手帳をお持ちの方(1)ご本人のみの場合1,800円、(2)介護者ありの場合、ご本人は通常料金、付添の方は無料
■開館時間/9時~17時(入館は16時30分まで)
■休館日/会期中無休
■アクセス/小田急線箱根湯本駅より、伊豆箱根バス(のりば1)・箱根登山バス(のりば2)で小涌園下車徒歩すぐ。箱根登山鉄道小涌谷駅より、伊豆箱根バス・箱根登山バスで小涌園下車徒歩すぐ。
JR小田原駅より、伊豆箱根バス(のりば5)・箱根登山バス(のりば3)で小涌園下車徒歩すぐ。

取材・文/藤田麻希
美術ライター。明治学院大学大学院芸術学専攻修了。『美術手帖』などへの寄稿ほか、『日本美術全集』『超絶技巧!明治工芸の粋』『村上隆のスーパーフラット・コレクション』など展覧会図録や書籍の編集・執筆も担当。

最終更新:10/7(金) 23:20

サライ.jp

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