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本当だった米税関「SNS入国審査」検討説 人権団体らが猛抗議

Forbes JAPAN 10/7(金) 10:00配信

アメリカ合衆国税関・国境警備局(CBP)は今後「米国に入国する人々にSNSアカウントの提示を求めることはない」と主張している。



今年6月、「これからビザなしでアメリカに入国する人は、SNSアカウントの開示を求められる。これに応じない場合は入国を拒否される」という報道が駆け巡った。CBPはこの制度は検討段階のもので、「開示が強制されることはない」と強調したが、反発する声が各方面からあがっていた。

しかし、その後の調査で当局が実際にSNSアカンウント開示の強制を検討中だったことが発覚した。NPO団体「アクセス・ナウ」が入手し公開したビザ免除申請書の草稿には、入国者の氏名・住所に加えフェイスブックやツイッター等のSNSアカウントの記入欄が設けられている。

そこにはこのような記述がある。「情報公開に応じない場合、米国への入国を拒否され、国外追放措置がとられる」。CBPの広報担当者によるとこの草稿は「何種類か存在したバージョンの一つに過ぎない」という。

「これは過去に存在した改正案の一つです。仮にこの案の検討が進んだとしても、次のバージョンではこの質問には明確にオプショナルの表示が加えられています」と担当者は述べた。「情報の提示は自由意志に任されています。SNSアカウントの記入を拒否しても出入国カードの提出は可能です」

それが強制であろうとなかろうと、この案の存在は重大な懸念を呼び起こす。アクセス・ナウはこの草案を「重大なプライバシー侵害で、表現の自由を脅かす。さらに、この制度の導入がセキュリティ向上に役立つ証拠はどこにもない」と指摘する。

世界最悪の事例を米国が作る?

「税関で人々のSNSを検閲するなんて、アメリカが世界最悪の事例を世に残すことになります」とアクセス・ナウは述べている。さらに酷いことに別途検討中のアイデアとして、収集したデータを警察や政府が保管し、後から調査可能にするという案が浮上しているという。

「この質問は税関のビザ免除申請手続きの枠をはるかに超え、犯罪歴や健康データにまで及んでいます」と、20近くの人権団体がこの提案に反発している。回答がどのように利用されるのか。どのような分析が加えられるのかは、それにかかる費用も含め、全く明らかにされていない。

米国税関は実際、旅行者のSNS上のジョークを問題視し、強制送還した事例がある。広く知られるのは2012年の英国人カップルの事件だ。「アメリカを潰しに行こう。マリリン・モンローの死体を掘り起こすんだ!」とツイッターでつぶやいた男性とその彼女は、テロ容疑未遂の疑いで逮捕され、尋問を受けた後に国外退去処分を受けた。

Emma Woollacott

最終更新:10/7(金) 10:00

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