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日本文化の清々しさを感じる和カフェ 老舗料亭が手がける「茶洒 金田中」

CREA WEB 10/7(金) 12:01配信

無駄な要素が削ぎ落とされた日本的な美しさを堪能

茶洒 金田中(東京・表参道)
甘味:三色の餡と白玉餅、純正あんみつ、葛切り

 東京・銀座の老舗料亭「新ばし 金田中」が表参道で手がける「茶洒 金田中」は、目立つ看板もなく、知る人ぞ知る和カフェ。「オーク表参道」の階段を上って2階に着くと、鉄平石を積んだ苔庭が視界に現れ、街の喧噪の余韻が頭からすっと抜けていきます。

 モダンな日本情緒が漂う苔庭と内装は、現代美術作家の杉本博司さんが手がけたもの。庭の景色は、入口から目にするだけでも気持ちが豊かになる美しさですが、店内で席に着けば、まるで舞台を見るような感覚で堪能できます。

 ひな壇状に段差を付けて配置されたカウンターは、長さ10メートルほどの米ヒバの一枚板。その清々しさを感じながらメニューをめくれば、様々なお料理や甘味に目移りしますが、迷った時には「三色の餡と白玉餅」を是非。

 きなこをまぶした白玉餅の美味しさはもちろんですが、添えられた3種の餡は季節によって替わるため、折々の風情が楽しめるのです。たとえば10月なら、焼栗餡、白味噌餡、こし餡の3種類。一口ごとに好みの餡をつけていただくと、素朴な白玉餅に洒脱な季節感が加わり、あら素敵! 春に訪れた際に登場した餡は、桜葉餡、よもぎ餡、こし餡の3種類でした。

「純正あんみつ」は寒天と小豆色のモノトーン

 約10種類の甘味の中の定番は、「純正あんみつ」と「葛切り 黒蜜」。どちらも正統派の甘味ですが、「茶洒 金田中」ならではの個性が光るのは「純正あんみつ」。

 一般的なあんみつのビジュアルイメージは求肥餅などが飾られたカラフルなものですが、こちらの「純正あんみつ」は最小の要素でまとめられているため、寒天と小豆色のモノトーン感覚。塩豆、寒天、こし餡、黒蜜という定番の要素に加えて「紫蘇の実」が使われ、爽やかな香りと塩気がアクセントとなり、甘味が凛と引き締まっています。見た目同様、味わいも粋なあんみつです。

 もうひとつの定番「葛切り 黒蜜」は、注文を受けてから厨房で型に流して作られる本格派。葛切りと黒蜜を盛った木地椀が2つ並ぶ様子は、無駄な要素が削ぎ落とされた日本的な美しさ。でき立てのなめらかな葛切りには、吉野本葛の繊細な風味が潜んでいます。そのかすかな風味を味わうなら、黒蜜の付け過ぎにはご注意を。

 庭を眺めながら美しくも素朴な甘味を味わえば、丁寧に淹れられた「玉露」や「雁ケ音」の旨みもひときわ染みわたるというもの。表参道で和文化の精神を感じながらほっこりするなら、「茶洒 金田中」がおすすめです。

茶洒 金田中
所在地 東京都港区北青山3-6-1 oak omotesando2F
電話番号 03-6450-5116
営業時間 11:30~20:30(L.O.)[ランチ 11:30~14:00]
定休日 不定休
http://www.kanetanaka.co.jp/restrant/sahsya/

小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。

小松めぐみ

最終更新:10/7(金) 12:01

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