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10月1日からパートも保険料を払うことに? 社会保険の適用範囲が拡大

nikkei BPnet 10/7(金) 10:32配信

●保険料はムダなのか?

 世の中のパートタイム労働者、なかでも会社員などの妻の皆さん(以下、パート労働者)が10月1日からの身の処し方で頭を悩ませている。10月1日から始まった社会保険の適用範囲拡大に伴い、会社から選択を迫られることがあるからだ。

 「社会保険の適用範囲拡大」とは、以下の要件を満たすと、これまで社会保険に加入していなくても、これからは加入しなければならなくなる…という改正のことだ。

・社員501人以上の会社に
・1年以上の雇用期間(更新で継続される場合も含む)で雇われ
・週20時間以上勤務(残業分は除く)し
・1カ月の給料が8万8000円以上(残業代、通勤手当などを除く)で
・学生ではない(夜間・定時制学校を除く)

 社会保険の適用範囲拡大により 「今のままだと社会保険に加入することになるけれど、給料から社会保険料を引かれるのはいやだから、もっと短い勤務にしようかしら…」 とか、 「会社が社会保険に強制的に加入させようとしているのがいやだから、いっそのこと辞めちゃおうか!?」 とか、 「社会保険に加入するかしないか選んでと言われても、どっちがいいの? 夫の扶養のままでいれば社会保険料負担なしだし、加入って損な気がする…」 といった意見がパート仲間の間で飛び交い、大勢は「加入しない」という結論になる方向だという。

 これらの意見は一見正論のように見えるが、社会保険労務士など専門家の間では、むしろ「加入しないのはもったいない」というのが大勢だ。なぜだろうか。

社会保険に扶養を外れて入るメリットはあるのか?

 この場合の社会保険は健康保険と厚生年金保険(以下、厚生年金)である。ご存知のように会社員等の被扶養配偶者は追加の保険料負担なく健康保険から医療を受けられたり、老後は老齢基礎年金を受けられたりするため、「扶養」の範囲でいることは重要な選択だった。

 では、扶養の範囲を抜け、自らの給料から社会保険料を払うことにメリットはあるのだろうか? 

 まず、健康保険で扶養家族にはないメリットは表のような手当金があることだ。パート労働者は通常仕事を休んでしまうとその分収入が減る。しかし健康保険に加入していると、病気やケガ、出産などで長期間仕事を休んでも表のような手当金があるため、ある程度金銭的な不安を軽くして会社を休み療養したり育児ができる。

 次に厚生年金に加入するメリットを挙げると表のようになる。

 老後の年金が増えるのももちろんメリットだが、特に強調したいのは「障害厚生年金」だ。何らかの事情で重い障害を負ってしまった場合を考えてみよう。被扶養配偶者のままでは国民年金からの障害基礎年金を受給できるかどうかで判断するため、障害等級1級か2級に該当する必要がある。これは日常生活がかなり不自由な状態でなければ該当しない事が多い。しかし、厚生年金は対象範囲が若干広がる。またその広がった要件で障害等級に該当した場合、年金額に最低保障があり、年間約58万円を受け取れるようになる。これはその状態が続く限り一生受け取れるため、民間保険ではなかなか太刀打ちできない制度だ。

 また、ぜひ知っておいてほしいのが、障害状態に該当する理由だ。事故での身体障害だけでなく、がんなどの病気での身体障害、精神の障害でも該当する場合がある。医師もその要件を熟知しているわけではないため、気になるときは社会保険労務士などの専門家に問い合わせてみると良いだろう。

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最終更新:10/7(金) 10:32

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