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5分でわかる贈与税の仕組み 「非課税」と「基礎控除」は別物

NIKKEI STYLE 10/8(土) 7:47配信

「内藤先生、今年はうちの息子が進学するんです。入学金と授業料を負担したら100万円くらいかかってしまいました」「親御さんも大変ですね」「で、その息子は経済学部に入学したので株式投資をやりたいって言うんですよ」「いいじゃないですか。頼もしい」「私もやらせてみたいのですが、株式購入資金を100万円振り込んでくれと言うんです。入学金と合わせると200万円。110万円の枠を超えてしまうので贈与税がかかりますよね?」「大丈夫です。どちらにもかかりませんよ」

 「相続対策の基本は生前贈与」。これは相続特集の記事では必ず見かけるキーワードです。そして贈与税には年間110万円の基礎控除があることはほとんどの方がご存じです。税金がかからないという意味では大差はありませんが、実はこの110万円は非課税とは異なります。

 例えば子供の大学の学費を親が負担した場合、そもそも相続税法で「親が負担する教育費は非課税」と決められているので、子供が何回浪人しても留年しても課税はされません。しかし「勉強のためにこのお金で株式投資をしてみなさい」と言って子供の銀行口座に送金したら、「株式購入資金の贈与」として課税対象になります。

 その場合の贈与税額の計算は、110万円を控除して(差し引いて)から税率を掛けます。ですが110万円以内であれば税率を掛ける前の段階でゼロになるため、結果として非課税と同じことになります。つまり冒頭の会話のケースでは、入学金・授業料の100万円は非課税、株式購入資金の100万円は基礎控除の範囲内なので課税されない、というのが正確な表現なのです。

■贈与税、最低知っておきたい3ポイント

【1. 非課税財産】
 相続税法(ちなみに、贈与税法という法律は存在しません)では贈与税の非課税財産を12項目定めていますが、日常生活で関係するのは次の5項目です。これらの贈与を同時に受けても、要件さえ満たしていれば贈与税を払う必要はありません。ただし(3)(4)(5)については自ら申告しない限り非課税の適用はありませんので、要注意です。

(1) 親子兄弟などの扶養義務者から受ける生活費・教育費(2) 香典、お祝い、お見舞い、お中元・お歳暮、お年玉など(3) 一定要件をみたす教育資金1500万円(4) 一定要件をみたす結婚資金1000万円(5) 一定要件をみたす住宅取得資金700万円

【2. 基礎控除】
 贈与税の基礎控除は年間110万円です。これは受贈者(もらう人)単位ですので、仮に父から100万円、母から100万円の贈与を受けていた場合は合計200万円で、非課税にはなりません。この場合は、200万円-110万円=90万円が贈与税の課税対象となり、贈与税額は9万円となります。この例では税率は10%ですが、必ずしも10%ということではなく、累進税率ですので財産が増えれば税率は55%までどんどん上がっていきます。

【3. 申告方法】
 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住所地の税務署に贈与税の申告書を提出し、近くの金融機関で納付することになります。うっかり期限を過ぎてしまうと加算税や延滞税がかかる場合があるので注意しましょう。

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最終更新:10/8(土) 7:47

NIKKEI STYLE

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