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料金はお得?回線はつながる?使いやすい?話題の「LINEモバイル」徹底検証

@DIME 10/8(土) 10:10配信

 楽天モバイルやイオンモバイルなど、既存の事業に強みを持ったMVNO(格安スマホ)が、注目を集めている。元々知名度が高いだけでなく、楽天であれば他のネットサービスやポイント、イオンであれば強力な販路というような武器もある。そんなMVNOに名乗りを上げたのが、あのLINEだ。LINEは9月から、“ソフトローンチ”としてLINE MOBILEのサービスを開始。9月21日には、正式サービスに踏み切った。 

LINE MOBILEの特徴は、LINEなどの通信が無料になる「カウントフリー」にある。3GB以上の料金プランには、TwitterやFacebookの通信もカウントフリーに含まれる。カウントフリーは、ユーザーの通信を見て判別しているため、正確性を担保するのが難しいが、LINEはTwitterやFacebookと提携。通信を識別する技術を持ったNTTコミュニケーションズと提携し、これを実現した。スマホでのデファクトスタンダードとなったLINEが手掛けるMVNOなだけに、注目度の高さは抜群なLINE MOBILE。その使い勝手やお得度をレビューしていく。

■Web企業らしい工夫が盛り込まれたユーザーインターフェイス

 通常、通信サービスのレビューにはあまり盛り込まれない要素だが、LINE MOBILEを契約してみて、最初に感じたのが、Webやアプリの作り込みがしっかりしているということだ。プランを選んでいくと、初期費用と毎月の料金が、サッと一覧にまとめられて提示される。

 通信サービスとして当たり前のことかもしれないが、大手キャリアでも、これがしっかりできているところは少ない。大手キャリアは端末と割引が密接に絡み合い、オプションなどもあって料金プランが複雑化しているため致し方がないところもあるが、シンプルなフローに従っていき、身分証明書をアップロードするだけで、簡単に契約が進められるのは気持ちがいい。

 申し込んだあとの、発送も迅速だった。筆者はソフトローンチの発表会直後に契約を行なったが、翌日にはSIMカードが発送されており、2日後には自宅にSIMカードが届いた(残念ながら海外出張中で受け取れなかったが)。

 現時点ではリアルなショップがないため、使いたいと思ったその日に即契約というわけにはいかないのは残念なところだが、ここまでスピーディーに対応できるのは、サービス開始前にロジスティックスをしっかり組んできたからこそ。ユーザーの、「早く使ってみたい」という気持ちを大切にする取り組みとも言えるだろう。SIMカード自体はドコモが提供するMVNO用のSIMカードだが、パッケージがLINEらしい、鮮やかな緑で、シンプルにロゴが配されている点も好感が持てる。

 毎月の料金や使った通信料をチェックできる、いわゆるマイページも、LINEらしいユーザーインターフェイスになっている。あらかじめ、LINE MOBILEのIDとLINEアカウントを連携させておけば、LINEでLINE MOBILEのアカウントを開き、ボタンをタップするだけで残りの通信量がメッセージとして送られてくる。マイページを開いて、通信量のメニューをクリックして……というまどろっこしい作業は不要だ。

 LINE MOBILEにはデータをプレゼントする仕組みが実装されているが、これも同様に、LINE MOBILEの公式アカウントからボタンを押し、友だちを選ぶだけでいい。他のキャリアがWebを使ってやっているようなことが、LINEだけで完結しているのだ。この点は、まさにLINEらしさと言えるだろう。ただし、できることは限られている。同じ仕組みで追加のデータ量を買えればもっと便利なのだが、それは今のところできない。また、自然文での会話も受けつけてくれない。LINEはBotサービスにも力を入れているため、今後の進化に期待したいところだ。

■通信速度は超快適、このままの勢いを維持できるか?

 とは言え、いくらユーザーインターフェイスがよくても、通信が快適でなければ意味がない。MVNOの本質は、やはり快適にデータの送受信ができるところにある。特にMVNOの場合、そのビジネスモデル上、ピークタイムの通信速度がボトルネックになることが多い。MVNOは帯域をドコモのような大手キャリアから借り、それをユーザー同士でシェアする形になるからだ。ピーク時に合わせて帯域を借りれば、理論的には速度が低下することはないが、それではコストがかさんでしまう。安さを武器にするためには、ある程度ユーザーの属性を分散させ、ピークの山を抑える必要がある。

 では、LINE MOBILEの場合はどうか。試しにまず明け方、都内にある筆者自宅で速度を測ってみたところ下りは52.12Mbps出ていた。この場所は、LINE MOBILEがネットワークを借りているドコモであれば、100Mbps以上出るため、決して最速とは言えないが、正直なところ、50Mbps以上出ていれば、体感での違いはほとんど分からないだろう。非常に大きなファイルをダウンロードするような場合は違いが出るかもしれないが、料金がかさむこともあり、このようなシーンでLTEに頼る人は少ないはずだ。

 一般的に、MVNOのピークタイムと言われるお昼前後の時間帯はどうだろう。まず11時台に計測してみたところ、40Mbps超と、こちらも速度は十分だった。ただし、11時台はまだピークの前段階。ここからMVNOの契約者の多くを占めるサラリーマンがお昼休み入る12時台に向かって、速度がどんどん遅くなっていくケースが多い。ところが、LINE MOBILEは、お昼休みの時間帯のど真ん中である12時台でも、35Mbps以上の速度が出た。通信が詰まることもなく、使い勝手は快適そのものだ。

 もちろん、ここには留意したいポイントがある。1つはユーザー数が限られていること。筆者が試したのはソフトローンチ時で、ユーザー数は2万に限定されていた。LINE MOBILEが本サービスを見越して、より多くのユーザーに合わせた帯域を借りていれば、ピーク時の速度はおのずと速くなる。逆に言えば、本サービスが始まり、人が増えるまでは、真の実力は分からない。評判が評判を呼び、LINE側の想定以上にユーザーが増えてしまうと、一気にピーク時の速度が低下するおそれもある。

 このバランスをどう取っていくのかは、MVNOの腕の見せ所だ。LINE MOBILEは快適性を重視しているというが、ユーザーが増えたとき、今の速度を維持できるのかは注目しておきたいポイントと言える。一方で、現時点では速度も速く、快適だというのも事実。仮に遅くなったらキャリアを変えるぐらいの心づもりで、データ通信専用のSIMカードを契約しておくのというのは悪くない選択肢と言える。

■料金やLINE無料のお得度はどう?

 料金はどうだろうか。格安SIM、格安スマホとも呼ばれることがあるMVNOだが、LINE MOBILEの価格設定も、基本的にはこうした会社に対抗したものになっている。水準としては、大手キャリアの1/2から1/3程度の料金だと思えば、理解しやすいだろう。ただし、いくつかLINE MOBILEならではの特徴もある。

 1つが、1GBの「LINE フリー」と、3GB以上の「コミュニケーションフリー」に分かれていること。LINE FREEに関しては、データ通信のみが500円で、そこにSMSをつけるとプラスで120円、音声通話とSMSをつけるとプラスで700円がかかる。つまり、SMSつきが620円、音声通話つきが1200円というわけだ。こうしたばら売り自体は、他のMVNOでも一般的だ。

 少々変わっているのが3GB、5GB、7GB、10GBと4段階に分かれているコミュニケーションフリーで、こちらの料金にはデータ通信のみというものが存在しない。選べるのはデータ通信+SMSか、データ通信+音声通話のみだ。そのため、純粋にデータ通信だけを使いたいユーザーには、他社より少々割高になってしまっている。SMSを必須にしたのはTwitterやFacebookといったパートナーが認証に使っているためだというが、データ通信のみのユーザーは別途、SMSが使える回線を持っているケースも多いはず。SMSを切り離した料金を設定しても、よかったような印象を受ける。

 とは言え、LINE MOBILEは、最安を志向しているMVNOではない。料金を比べると分かるが、たとえば、3GBのSMSつきで1110円という金額は、OCNモバイルONEの1220円よりは安いが、IIJmioの1040円と比べると高めに設定されている。上位のMVNOとは大きく違う金額というわけではないが、あえて最安値競争をしないように意識していることも透けて見える。

 もっとも、LINE MOBILEの場合は、ここにTwitterやFacebookのカウントフリーがついてくる。どちらのSNSも、画像や動画を扱えるため、使い方によってはデータ量が大きくなりがちだ。かく言う筆者も、8月はその2つで、1GB以上のデータを消費している。これを考慮すると、事実上、3GBでも4GB以上使えるということになり、LINE MOBILEのお得さが際立ってくる。LINE、Twitter、Facebookは容量を使い切ったあとも速度制限されないため、安心感もある。これらのサービスは、スマホ時代のコミュニケーションの基本になっているからだ。

 鳴り物入りで登場したLINE MOBILEだが、実際のサービスを見てみると、堅実なMVNOという印象を受けた。これは、料金しかり、通信品質しかり、サービスしかりだ。料金を見るとやや派手さに欠ける印象はあるが、想像した以上に、きちんと使えてしかも料金は大手キャリアより十分安い。本サービス開始後にこれをどこまで維持できるかが、LINE MOBILEの今後を占う鍵になりそうだ。

【石野's ジャッジメント】
UI         ★★★★
契約のしやすさ   ★★★★★
通信速度      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
料金        ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

@DIME編集部

最終更新:10/8(土) 10:10

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北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。