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【イラク戦戦評】剥がす重要性を示した清武。投入すべきは齋藤だったのではないか

SOCCER DIGEST Web 10/8(土) 11:30配信

日本に足りなかったのは、イラクのプレスを剥がす個の打開力。

[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]日本 2-1 イラク/10月6日/埼玉
 
 「劇的な勝利」と言えば聞こえはいいが、冷静に振り返れば格下と目されたイラクに大苦戦。試合展開を苦しくしたのは、もちろんあの失点だ。とはいえ、日本がセットプレーから崩れるのはもはや想定内で、イラク戦の失点に関しても大きな驚きはなかった。ここまで来ると、セットプレーの弱さは致命傷。正直、改善の余地は見込めないのではないか。

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 おそらく、最終予選の残り7試合では少なくとも「1ゲーム・1失点」は覚悟しなければならないだろう。となると、日本が試合を優位に進めるためには複数のゴールが必要になるわけだが、しかしながらイラク戦でも効果的な攻撃は少なかった。
 
 80分過ぎからCBの吉田を前線に上げ、彼のポストプレーでいくつかチャンスを作った点はポジティブに映った。実際、吉田がファウルをもらって得たFKをきっかけに山口の決勝弾が生まれたのだから、あの“奇襲攻撃”はハマったと言える。
 
 問題は、それまでの戦い方だ。4バックに2ボランチを加えた6人が前線のスペースもしくは味方を探しながらボールをいくら回しても、攻撃のテンポは一向に上がらない。ボランチのひとり柏木が「後半は相手がもっとプレスをかけてきた」と言うように、日本はイラクの寄せに苦しんでいる印象だった。
 
 日本に足りなかったのは、そのプレスを剥がす個々の打開力だ。本田、岡崎はキープこそできるものの、そこから怖さを与える展開にほとんど持ち込めていなかった。2ボランチの長谷部と柏木も、独力で持ち上がれるタイプではない。酒井宏樹、酒井高徳の両SBにしても、そこまで突破力があるわけではないだろう。事実、いくらパスを回してもイラクの陣形はほとんど崩れなかった。
 
 もちろんパスの精度を高めてよりスピーディに回せれば剥がせるはずだが、活動期間が限られ、メンバーも変わる代表チームでコンビネーションを高めるのは想像以上に困難な作業だ。だからこそ、個の力が重要になってくる。
 
 追求したいのは、先制点につながる清武のプレー。自陣でパスを受けると、すかさずドリブルで敵をひとり剥がしたあの崩しだ。なにより見逃せなかったのは、センターサークル付近で清武がフリーになった瞬間、イラクの守備陣が完全に受け身になっていたということである。
 
 その後、清武は右サイドを走るフリーの本田にパスを出すのだが、イラクのその場凌ぎのディフェンスには圧力がなく、本田→清武とつないで最後は原口がヒールで先制点を奪う(もっとも、清武が右サイドで本田を追い越したシーンはオフサイドに見えた)。イラクの守備陣を混乱させたという点で、清武は殊勲者だ。
 
 清武が個の打開力で作り出したその決定機は、間違いなく“剥がす重要性”を示した場面でもあった。

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最終更新:10/9(日) 0:13

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