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投資スクール経営者が「デイトレ反対」の理由

東洋経済オンライン 10/8(土) 6:00配信

 デイトレードとは、株式市場の1日の取引時間の中で、エントリーからエグジットまでを必ず完了する売買である。国内市場が閉まった後で、海外の市場の急変動による資金の大幅な減少リスクを避けることができるという特徴もあり、国内の個人投資家の多くが手掛ける取引手法だ。

 多くの個人投資家が積極的に取り組んでいるデイトレードだが、私はこれに対して反対である。なぜ反対するのか。以下、その理由を5つ述べてみたい。読者の中には「賛成できない」という読者の方もおられると思うが、ご容赦いただきたい。

 1.儲からない

 インターネットの様々な情報や書籍には、デイトレで大成功し、大きな利益を上げた投資家の武勇伝が後を絶たない(東洋経済オンラインでも時々載っている)。

 それゆえ、それを見た投資家は、「デイトレは儲かる」という印象を持ち、自らもデイトレにチャレンジする。特定の投資家が大きな利益を上げたからといって、その手法が特別儲かりやすいとは限らない。むしろ私は、これまでに1万人以上の投資家に会い、その実情を見聞きする中で、デイトレは個人投資家にとって「成功確率の低い投資スタイル」だと思う。

 明確な統計数字がない以上、デイトレが儲かるのか、儲からないのかを議論しても答えを得ることはできない。

■自分の結果をみつめるべき

 ここで大切なことは、他の人が儲けたかどうかではなく、あなた自身が儲けているかどうかだ。デイトレにチャンレンジしている投資家は、毎月の自分の損益の結果に目を向けて欲しい。もし数カ月の間、あなたがデイトレで損を続けているとしたら、デイトレは儲からないのだ。私たちは儲からない投資を続けるわけにはいかない。自分の結果を見つめ、儲かっていないのであれば、直ちに止めるべきだ。

デイトレ投資家が見逃しやすいリスクとは?

 2.リスクは必ずしも低くない

 デイトレを自らの投資スタイルとして採用している多くの投資家は、国内市場の取引の空白時間の価格変動リスクを避けられることを理由にすることが多い。これは確かに間違いではない。間違いではないのだが、決定的なもう1つのリスク要因を見落としている。

 金融市場において、リスクとは不確実性を表す。市場に資金を投下している時間が長くなれば不確実性が増すので、短時間に取引を終えるデイトレは確かにリスクが低い。

■時間のリスクは減っても、資金の不確実性が増す

 しかし、時間と同様に、不確実性を増す要因として、投下する資金量=売買株数も見逃すことはできない。売買株数が大きくなれば、それだけ資金増減の不確実性が増すので、リスクが高くなる。

 デイトレを行う投資家は、時間のリスクだけに目を奪われ、リスクをコントロールしたつもりになっているが、売買株数への注意が不十分であり、驚くような大きなリスクを抱えていることが多い。この状態では、デイトレであっても、リスクは低くなっていない。投資におけるリスクは、資金を市場に投下している時間と量に左右されることを肝に銘じ、両方をコントロールする必要があるのだ。

 3.利益に対してコストが高いので不利である

 デイトレでは、大引けまでに必ず決済するので、利益を上げられたとしても、その利益幅には限界がある。それに対して、数カ月以上、あるいは1年以上保有する長期投資の場合、成功した際の利益幅は保有期間に応じて大きくなる。

 ここで、投資家は1回1回の売買のすべてに売買手数料を支払う必要がある。最近では、ネット証券会社を中心に、手数料が引き下げられているが、それがゼロになることはあり得ない。

 1回1回の売買のすべてに手数料が掛かることを考えれば、より大きい利益幅を上げられた方が、利益に対するコストの比率を低く抑えることができ有利であることは、火を見るよりも明らかだ。コストの面から考えれば、株式の保有期間が短くなればなるほど、利益に対してコストの比率が高くなり、不利になることを忘れてはならない。

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最終更新:10/8(土) 7:40

東洋経済オンライン

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