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中古住宅、金利などリフォーム融資の使い勝手が大幅に向上

NIKKEI STYLE 10/9(日) 7:47配信

 新築住宅価格が都心部で高止まりする中、値ごろな中古物件を買ってリフォームする手法に関心が高まっている。以前は住宅購入とリフォーム工事のローンは別個で、リフォーム用は金利が高いなど中古物件の購入者にとって使いづらい面があった。最近は双方を一本化し低い金利の専用ローンが相次ぎ登場している。新型ローンの使い方のポイントを探った。
 東京都内で昨年から新居を探している会社員Aさん(41)。新築価格が高騰しているため、中古住宅に目を向け始めた。「値段が手ごろな中古物件を見つけ、新築相場との差額分の資金でリフォームを考えている」。ただ、ローンを組んだ時に「金利負担が大きくなるのではないか」という点が心配という。
 一般にリフォームローンなどと呼ぶ改修の専用ローンは無担保で、担保が必要な住宅ローンに比べると金利は高めだ。融資額も少なめで、融資期間も短い。一方、住宅ローンを中古物件で使う場合、建物の担保評価が低く、融資額が希望に届かない例がある。Aさんのように中古物件購入と大規模リフォームの資金を、どちらもローンで調達する場合は、金利負担や融資総額の面で納得できるローンは多くなかった。
 ただ、最近になって状況は変わってきた。例えば、10月から始まった住宅金融支援機構の新タイプの中古住宅向けローン「フラット35リノベ」。購入予定の中古住宅に対して省エネ性、耐震性などのうち、いずれか1つ以上で所定基準をクリアするリフォームをすると、長期固定型ローン「フラット35」の借入金利から、さらに年0.6%引き下げられる。最長で当初の10年間、適用される。
 マイナス金利政策などの影響で、フラット35の金利は低めで推移しており、主力型(借入期間21~35年、融資率9割以下)の10月の最低金利は年1.06%だ。ここに「リノベ」の引き下げが加わると、年0.46%という低水準になる。「リノベ」はAさんのように中古住宅を買って、リフォームする予定の人も利用できる。この場合は購入資金とリフォーム工事費を1本のローンにまとめられる。
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 以前、フラット35は住宅の建設・購入資金にしか使えなかった。これが昨年に変更され、リフォーム費用も合わせて借りられるタイプが登場した。リフォーム費用も購入資金分と同じ金利で借りることができる。今回の「リノベ」は、全体の金利をさらに下げる仕組みも整えたローンだ。
 中古住宅の品質向上に着眼したローンなので、計3回にわたって、検査機関が住宅の現況や工事計画を検査することなどが条件になっている。検査の申請などでひと手間がかかるが、住宅の品質に対して一定の外部チェックが働くという安心感も見逃せない利点だ。
 一方、民間でも中古住宅の品質向上に着眼したローンが登場している。三井住友信託銀行が、積水ハウスなど大手住宅メーカー10社で構成する優良ストック住宅推進協議会(スムストック)と連携し、8月から始めた新型ローンだ。対象となるのはスムストック10社が建設し、売買も仲介する中古住宅。住宅購入資金のみを借りることもできるが、購入と同時にリフォームする人は購入資金に加え、リフォーム費用も1つのローンにまとめて借りることができる。
 同行は以前からリフォーム費用にも使える住宅ローンを扱っていたが、「新型ローンの最大の特徴は金利にある」(同行ローン業務推進部)。最優遇と呼ぶ、最も低い金利が常に適用される。同行は10月時点で、当初10年固定型ローンの最低金利が年0.45%など、国内大手行の中でも特に低い金利を提示している。その最低金利が常に適用されるのは、利用者には魅力だ。
 住宅購入資金のみを借りる場合も、リフォーム費用を含めて借りる場合も、最低金利が適用されることには変わりはない。
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 現在、国は中古住宅売買の活性化のために様々な施策を進めており、中古物件購入やリフォームで使える有利なローンは今後さらに増える可能性が高い。ただ、ローンが使いやすくなったからこそ、リフォーム工事費用が自らの収入に見合った金額になっているかは慎重に考える必要がある。
 ある住宅関連企業は「最近は人手不足などもあって、リフォーム工事費だけで1000万円を軽く超す例が少なくない」と指摘する。低金利のローンが増え、借りやすいからと工事費をむやみに膨らませると、将来的に月々のローン返済負担が家計を圧迫することになることは覚えておきたい。
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■借り入れ、総合的に判断 従来の無担保のリフォームローンにも便利な点はある。有担保の住宅ローンでは欠かせない登記費用が必要ない。融資手続きも迅速に進む。表面的な金利の高低だけでなく総合的に自分のリフォーム事情に合うローンを選ぶことが大切だ。
(マネー報道部 堀大介)
[日本経済新聞夕刊2016年10月5日付]

最終更新:10/9(日) 7:47

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