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大統領選TV討論 勝者ヒラリーの支持が伸び悩む理由

週刊文春 10/9(日) 7:01配信

 9月26日、アメリカ大統領選の“ヤマ場”第1回テレビ討論会が行われ、ヒラリー・クリントン(民主党)とドナルド・トランプ(共和党)が激突した。

 第45代米国大統領の座をかけた98分間の対決を、約8400万人が見守り、この数字は従来の最高視聴者記録(1980年、ジミー・カーターとロナルド・レーガンの討論会時の約8000万人)を大きく塗り替えた。

 その内容は雇用、貿易、人種問題など多岐に渡ったが、トランプ氏が何度もクリントン氏の話を遮り、司会者に注意される場面が目立った。

「周到に準備したクリントン氏に対して、トランプ氏は精彩を欠いたという見方がほとんどです」(現地特派員)

 討論会後にトランプ氏は、「ビル・クリントンの大統領時代の不倫問題を追及しようかとも思ったが、夫妻の娘のチェルシーが会場にいるのが見えたので、やめたんだ」などと嘯(うそぶ)くのが精一杯だった。

 特筆すべきは討論会後、クリントン氏の女性有権者の支持が7ポイント伸びた点だ。それを象徴するように、一般女性の次のようなツイートが急速に拡散されたという。

〈トランプが仮に女性で、何の準備も無しで討論会に現れ、討論相手を70回も遮ったらどう評価されるか〉〈3人の男性との間に5人の子供を生み、浮気・倒産・脱税を繰り返し、当選経験は無いことを想像してみてほしい〉

 一方で支持率では、クリントン氏の43%に対し、トランプ氏は40%で、討論会前(41%対40%)と比べて意外なほど差はついていない。

「実は、ここにきてトランプ支持は貧困層のみならず、中間層以上にも、広がっています。その背景には大企業との蜜月を指摘され、“アメリカンドリーム”を制限しかねないクリントン氏に対する反発がある、という分析がなされています」(前出・特派員)

 ちなみに1984年以来、大統領選の結果を的中させてきたというアメリカン大学のアラン・リヒトマン氏は「トランプ勝利」と予測する。

 英国のテレーザ・メイ首相が「何れの候補が当選したとしても現実を受け止めて前進するしかない」と語る通り、世界中が注目する「運命の投開票日」まで、ついに5週間を切った。


<週刊文春2016年10月13日号『THIS WEEK 国際』より>

近藤 奈香(ジャーナリスト)

最終更新:10/9(日) 7:06

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