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103万円の壁を超えても大丈夫? 主婦のためのiDeCo活用術

マネーポストWEB 10/9(日) 12:30配信

 2017年1月から加入対象がほぼすべての現役世代に拡大する個人型確定拠出年金(個人型DC)の愛称が、「iDeCo(イデコ)」に決まった。iDeCoは老後の資金を準備する制度としては有利な点が多いしくみで、なんといっても掛金の全額が、所得税や住民税の計算のもととなる「所得」から差し引くことができる点が最大のメリットだ(所得控除)。

 現役時代から節税しながら老後に備えられる点が大きな魅力だが、専業主婦のように、自分の収入がなかったり、パートなどの短時間労働で収入を低く抑え所得税を払っていない人は、この恩恵を受けられないとされている。当たり前の話だが、税金を払っていなければ節税の余地はなく、iDeCoの最大のメリットである掛金の所得控除も受けられないためだ。
 
 実際、パートで働く専業主婦の中には、収入を103万円以下で抑えている人も多い。この水準なら、自らも所得税がかからないうえ、妻の収入が一定以下の場合に夫が受けられる「配偶者控除」の対象となって夫側でも節税できるからだ。いわゆる「103万円の壁」である。
 
 しかし、この配偶者控除は女性の働く意欲を削ぐ制度であるという批判が根強く、廃止が検討されている。その代わりとして浮上しているのが、夫婦合わせた収入を元にする「夫婦控除」で、共働きでも優遇は受けられるので「壁」を気にせずに働けるようになる。
 
 専業主婦はもともと老後に受け取る年金が少なく、夫が受け取る厚生年金と合わせてやっと帳尻が合うようになっている。自分名義の年金を上乗せできる制度はぜひ活用したい。

自分名義の年金をつくろう

 ただし、配偶者控除の見直しには時間がかかる可能性もあり、2017年以降も現行制度が続くことも考えられる。その場合も、iDeCoを利用して有利に働く方法はある。iDeCoに加入すればその掛金を確定申告して、所得から差し引くことができるので、働く時間を増やしても専業主婦自身の所得税はゼロで抑えることは可能だ。

 たとえば、収入を100万円に抑えて税金を支払っていなかった主婦が、パートの時間を増やして収入を月2万円増やした場合を考えてみよう。控除は103万なのでそれを超えた21万円に課税され、所得税と住民税を合わせて年間3万円程度の税が課せられることになる。しかし、iDeCoに加入して月額2万円を積み立てていれば、iDeCoに収めた分は所得ではないとみなされて税金を払う必要がなくなるのだ。
 
 収入が103万円を超えた時点で配偶者控除の対象からは外れてしまうが、収入が141万円までなら新たに「配偶者特別控除」の対象になるので、夫の税金がいきなり跳ね上がるわけではない。
 
 このケースの場合、夫の税金の増加分は2.5万円程度と、少しではあるが妻の節税分を上回る。とはいえ何より、月2万円を主婦が自分自身で将来のために備えられるのだから、検討の余地はあるのではないだろうか。
 
 iDeCoは運用中の利益も非課税なので、通常の銀行や証券口座で積み立てるよりも有利。ただし、世帯収入を重視するなら、まずは夫の枠でiDeCoに上限まで加入して税制優遇を受けたうえで、妻の加入を検討したほうが賢明だろう。

文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー・ライター)

最終更新:10/9(日) 12:30

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