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神社が「政治的存在感」を増している根本理由

東洋経済オンライン 10/9(日) 6:00配信

世俗とは一線を画すと思われている神社が「改憲署名」の活動をし、日本会議では中心的役割を担っているという。なぜか。『神社と政治』を書いた千葉大学大学院人文社会科学研究科教授の小林正弥氏に聞いた。

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■多くの人たちは戦後の神社しか知らない

 ──神社は個人の信仰や習俗にかかわるだけではないのですね。

 最近は伝統的な信仰が衰退している反面、スピリチュアリティや精神性に関心がある若い人も増えている。パワースポットの観点で神社を参拝するという人も増えてきた。そういう新しい関心にも応えることは大事だろう。多くの人たちは戦後の神社しか知らないが、原始神道の時代から今日まで多様な側面を持ってきたし、時代の変化の中で適応し、生成・発展しているのだ。

 もちろん戦前の国家神道と今の姿は違う。キリスト教では「世界は神が創造する」とされるが、日本や東洋の思想では生成的な発展という考え方がなされ、それを可能にするのが普通の言葉で温故知新、神社界でいえば『古事記』にある言葉の稽古照今だ。

 ──稽古照今? 

 神社にはもともと宗教性がある。個人としての祈りだけではなく、国家や人々のために祈るという機能が神社神道にはある。それが天皇制のような大きな問題につながっていく。その公共性をしっかり見てほしいと神社界は念願している。単に個人の信仰になってしまうのではなく、公共的な機能を回復したい気持ちが神社界にはある。

 ──氏子が減っている……。

 人口が減っている中で、地域の神社における氏神への信仰や先祖に対する信仰が薄れつつあって、復活力は弱い。それに対する方策としては都会に出た人にお祭りに帰ってきて協力してもらう。今までの地域の小さな共同体の中だけではなく、外部の協力を得る形も取りたい。よろず相談の機能を復活させ、丁寧な祈願を工夫していく。そういう魅力づけを通じ、宗教性に目覚め、公共性を自覚してもらうという可能性がある。

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最終更新:10/9(日) 6:00

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